歳出総額が100兆円を超える"放蕩"予算を、組んでいる場合ではない | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 日本政府の「税収に対する借入残高の比率」は、他の先進国政府のそれと比較して、突出して高いです。もし、どの先進国政府の値も、押し並べて高いのなら、もはや総崩れなので、今ほどには、憂慮しないで済むのですが、日本政府の値だけが、突出しているということは、ある限界点を越えれば、日本国債に対する評価だけが、一気に下がるということです。

 ある日、日本国債に対する格付けが、一気に下がる。利率を引き上げなければ、日本国債を円滑に発行することが難しくなるので、日本政府の利払費は、更に膨れ上がる。早晩、日本国債を購入しようとする者が減る。財務省が、その影響力を行使し、あの手この手を使って、日本国債の引き受け手(購入者)を確保しようとするが、すぐに確保できなくなる。

 今まで、説明の便宜上、「発行事由による国債の分類(建設国債、赤字国債、借換国債など)は、発行者側の管理上の分類に過ぎず、実際に発行する際は、全て、単に日本国債として発行される」ことを申し上げずに、説明して参りました。
日本国債を発行しようとして、発行予定額に達しなかったら、財務省は、発行できた分は、借換国債分とし、発行できなかった分は、建設国債分、赤字国債分とするでしょう。償還日に償還できなければ、即、デフォルトだからです。

 建設国債分、赤字国債分が、予定通りに発行できなくて不足する収入金額に関しては、「予算に追加以外の変更を加える補正予算」財政法29条の2号)を組んで、減額補正することになるでしょう。ということは、仮に、一般会計の歳出総額が100兆円を超える"放蕩"予算を組んでいたとしても、強制的に、「本年度は、80兆円で、遣り繰りしてください」ということになります。

 まぁ、物事は、動き出したら一気に動くので、あっという間に、建設国債分も赤字国債分も全て、発行できず、借換国債分に穴が開き、ついに、償還日に償還できず、償還延期を宣言することになるでしょう。つまり、デフォルトです。
日本政府の(金融上の)信用が地に落ち、円が暴落するので、円ドルの現在の交換レートに基づく社会の仕組みは、全て、大幅な変更を余儀なくされます。

 僕は、この国の、そう遠くない将来について、申し述べた積もりです。私達は、座して死を待つべきでしょうか。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則