現世は、地獄ではないかもしれませんが、さりとて、極楽浄土でもないでしょう。そんな現世において、もし、国家が、相応の軍事力を整備し維持していなければ、どうなるでしょうか。
ハワイ王国の第8代、かつ、最後の国王であるリリウオカラニ女王。米国人を中心とする白人による経済支配が進む中、女王は、ハワイ王国の独立を維持しようと努められましたが、米国軍の上陸を阻止することができず、米国軍によって、イオラニ宮殿が包囲されてしまい、ハワイ王国は倒されました。
リリウオカラニ女王が、前の代であるカラカウア国王の時代に、作られた歌『アロハ・オエ』。アロハ(aloha)は、汎用性が高い、あいさつ言葉。ようこそ、こんにちは、こんばんは、さようなら。出会ったときにも、別れのときにも、使われます。『アロハ・オエ』は、"Aloha to you"、つまり、『アロハを、あなたに』。歌詞の内容からすれば、『さようならを、あなたに』といったところでしょうか、惜別の歌のようです。
米国人を中心とする白人による経済支配が進む中、リリウオカラニ女王は、どのような思いを、この歌に込められたのでしょうか。また、先住民であるハワイの人々は、どのような思いで、この歌を、歌い継いでおられるのでしょうか。
日本は、明治以降、相応の軍事力を整備して、何とか独立を維持し、今に至っています。成らず者が上陸し、皇居が包囲され、国民の生活が脅(おびや)かされることを阻止しているのは、憲法9条各項では、決してありません。
先ほど、グーグル・マップで確認しましたら、ハワイ王国のイオラニ宮殿から、そう遠くない場所に、地球の表面のかなりの部分を管轄する米国太平洋軍の司令部があり、この世の現実や、人類社会の有り様を、まざまざと見たように、思いました。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則