人口が1億人の国では、1億人の人が助け合って、1億人の人の生活を支える。人口が1千万人の国では、1千万人の人が助け合って、1千万人の人の生活を支える。全体を見れば、支えられる人と支える人の比は、そう変わりませんので、人口が多いと得をして、人口が少ないと損をする訳ではありません。国土の地勢に対し、人口が多すぎず、かつ、少なすぎないようにすることが肝要なのであって、国土の地勢に対し人口が多すぎれば、人口は、傾向としては、減っていくだろうし、少なすぎれば、増えていく。
動的平衡(dynamic equilibrium)。何事も、一定の範囲に収まるよう、常に調整機能が働くようにしておく。この世は、動的であり、複雑系(complex system)そのものです。生きていないものは、自発的に動きませんが、生きているものを、人為的に固定したり、人為的に誘導したりして、「自発的に動く」ことを妨げようと試みることは、無益どころか、往々にして有害です。
いわゆる産業革命以後の技術革新、それに、安い石炭、安い石油に支えられ、世界の人口は、爆発的に増加してきました。今も、爆発的に増加し続けています。国土の地勢、いや、英語で「土そのもの、the Earth」と表現する地球の地勢を考えれば、世界の人口は、もうとっくに、取り返しがつかないほど増加し、重篤な状態にあるのではないでしょうか。
地球の表面も、天然資源と見なせば、人類の歴史は、「天然資源の争奪戦」の歴史そのものですが、既に、地球の各所で、またぞろ、エネルギー資源の争奪戦が激化しつつあります。
「地球の内部、地下深くに存在する天然資源」は、一体、誰のものなのか。地球の表面には、国境線が引かれています。地球の内部、地下深くにも国境線があると見なし、当該国が「地球の内部、地下深くに存在する天然資源」を独占するという現在の制度は、如何なものか。僕は、そう思っています。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則