独裁という政治体制の下では、人心が荒廃する | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 僕は、中国自体を否定している訳でも、中国共産党自体を否定している訳でもなく、否定すべきは独裁という政治体制だと、強く思っています。この世には、ひたすら情緒的で、現世の過酷で苛烈な事実を見ようとしない人も、たしかに居られ、その存在を否定する積もりはございません。
繰り返しになりますが、昨年の1月に、「中国国民が、日米欧の先進国の国民が有する自由と同じ自由を与えられた上で、普通選挙が実施され、それで中国共産党が政権を取るのなら、中国国民の、その選択に対し、ああだこうだ申し上げる積もりは、毛頭ありません」と、書かせていただいた通りです。

 「税金、ちゃんと払ってる。なぜ、ダメなのか」と、口癖のように日本語で言う中国人、もしくは、中国系と思われる人を、日本で見かけたことがあります。もちろん、たった一人の人から受けた印象を、他の多くの人に投影すべきでないですが、僕が、日本や上海で出会った中国人から受けた印象を、象徴するかのような発言だったので、頭に残っています。
多くの、いや、ほとんどの日本人にしてみれば、税金を払うことは、当たり前のことであって、「税金を払ったのだから、有利な扱いを受けたり、何か特別な計らいをしてもらって当然」という発想は、思い付きもしないのではないでしょうか。

 独裁という政治体制の下では、人心が荒廃します。自分が得をするため、私利私欲のためなら、手段を選ばなくなり、共同体の益、公益を考えなくなります。共産主義(communism)という言葉の字義とは、真逆の状態ですが、この状態こそが、中国共産党が、実質的に一党独裁している中華人民共和国の歴史そのものだと、僕は考えています。

 我欲の塊であれば、1968年10月12日から11月29日の間に、アジア極東経済委員会(略称:ECAFE)が行った海洋調査の報告書が公になってから、突然、日本の尖閣諸島について、難癖をつけ始めたり、1985年の夏に、突然、中曽根康弘首相の靖国神社参拝に、言い掛かりをつけたりしても、何とも思わないでしょう。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則