僅か2週間前の日曜日に投開票が行われた第46回衆議院議員総選挙で、候補者となった自民党員のうち、当選人となった者は、間違いなく293名であったが、現在、自民党所属の衆議院議員は、294名いる。数え間違えた訳ではない。
多くの人が、仕事納めで、ばたばたされていて、気もそぞろであったであろう、2日前の12月28日を狙って、そうしたとは思いたくないが、自民党は、「無所属議員になり、自民党議員になり、無所属議員になり、新進党議員になり、旧民主党議員になり、民主党議員になり、自民党議員になり、無所属議員になり、今回の総選挙の結果、無所属議員になった鳩山邦夫氏」の、12月28日付けでの復党を、決定した。
その結果、自民党所属の衆議院議員の人数が、293名から294名になった。
人は、全知全能の神ではない。誤り、間違い、失敗をしない人は、いないだろう。ただ、「自分にとって都合が良いように離党入党を繰り返す者に、市井の片隅で暮らす多くの国民の心の痛み、嘆きが、分かるだろうか」と、私などは、思ってしまう。
鳩山邦夫氏は、実母から多額のお小遣いを受領していたにも関わらず、相続税法28条1項に基づく贈与税の期限内申告書を、期限内に提出せず、「借りていただけだ」と言い張り続けた。期限は、贈与税額が発生するほどの多額の贈与により財産を取得した年の翌年の3月15日である。
結局、鳩山邦夫氏は、2004年から2008年までの5年間の贈与税を、2009年に後払いしたそうだ。下記の通り、期限内申告書を期限内に提出しないこと自体が、罰則規定がある行為である。
相続税法69条
正当な理由がなくて期限内申告書又は第三十一条第二項の規定による修正申告書をこれらの申告書の提出期限までに提出しなかつた者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
どこに、正当な理由や、刑を免除するに値する情状が、あるのか。国会議員は、法律を、税法を、審議し成立させる側にいる人間である。鳩山邦夫氏の復党を認めたことは、将来において問題を発生させる原因、つまり、禍根である。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則