洋菓子、異人館、六甲山からの夜景。神戸から連想するものは、色々あると思うが、私は、モトコー(元高)と呼ばれる、JR元町駅と神戸駅の間の高架下に広がる商店街や、ダイエーの創業者である中内功氏を、連想する。どちらも、中内功氏が、生前、よく使われていた言葉を使わせていただくなら、カオス(chaos、英語の発音はケイオス、混沌)だろう。
その中内功氏は、国境守備隊として、満州(現在の中国東北部)に赴き、その後、フィリピンに転戦、ルソン島で敗走しフィリピンで「8月15日」を迎え、マニラ戦時俘虜収容所に収容されるという経験を、されている。
そのフィリピンは、大国に翻弄された国のうちの一つである。スペインに統治され、米国に統治され、日本軍がやって来た後、独立した。1965年以降、フェルディナンド・マルコス大統領の政権が長く続き、マルコス氏が米国ハワイ州に亡命した後も、政治的な混乱が治まらず、経済が安定しない。
フィリピンは、昨年の春に東北地方太平洋沖地震が発生した後、物資を送っていただき医療支援チームを派遣していただいた、多くの国のうちの一国である。そのことを指して、前々回の投稿で「僅か21か月前の恩義すら、忘れたのか」と、書かせていただいた。
衆議院議員総選挙で困っているから、恩を忘れたのか。経済が安定せず困っていても、日本のことを忘れずに、物資や医療支援チームを送っていただいた。今、この国は、その恩に報いる機会を与えられているのに、与野党とも、選挙にかまけて何もしようとしていない。私は、日本人として、恥ずかしい。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則