何のために、公職選挙法を改正して、1996年に行われた衆議院議員総選挙から、一つの選挙区における当選人の人数を1人にしたのか。徒に、小党が乱立すれば、船頭ばかりが増え、議論が前に進まない。
二大政党制でも三大政党制でも構わないが、小党が乱立しない政治を目指し、中選挙区を止め、小選挙区にしたのではないか。
各都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に、然るべき文書を届け出ている政治団体のうち、政治資金規正法3条2項各号のいずれかに該当するものは、政治資金規正法などの法律において、政党と呼ばれる。
そういう政党は、単なる徒党、政治好きが集まった政治同好会ではない。皆が納めた税金などの公金が投入される公党である。また、寄附の取り扱いに関して、かなり優遇されている。
小党の乱立を回避し、少数の大きな政党を誕生させるということは、社会的弱者の意見や、少数派の意見を切り捨てるということではない。少数の大きな政党のなかで、様々な意見、利害を考慮し、もちろん、公共の福祉も考慮に入れて、国益を維持、又は、増進させるよう、政策を立案する。そして、その政策を国会に持っていき、密室ではなく議事録が残る場で、しっかりと議論をし、結論を得る。
そのために、中選挙区を止め、小選挙区にしたのではないのか。
どんなに高尚な法律や制度を整えても、意識が伴わなければ、状況は良くならない。むしろ、悪くなる。この国には、もう、国士は居ないのか。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則