内閣の暴走を、国会が抑止し、国会の暴走を、内閣が抑止する。
衆議院での内閣不信任決議案可決、もしくは、内閣信任決議案否決は、国会の内閣に対する抑止力であり、首相の衆議院解散権は、内閣の国会に対する抑止力である。ただ、それだけのことである。
見るに忍びない有り様である。衆議院の解散を約束してくれなかったら、内閣不信任決議案を提出し、約束してくれたら、提出しない。そう、自民党執行部は、言っている。
そこに、義は無い。この国を愛する心も無い。あるのは、自分だけを愛する心、利己心だけである。
中学生に、「なぜ、衆議院議員である谷垣禎一さんは、自分が属している衆議院の解散を約束してくれたら、消費税率を引き上げるという重要法案の成立に協力するけれど、約束してくれなかったら、協力しないって、言ってるの?」と、質問されたら、この国の大人は、どう、答えればいいのか。
『自民党執行部は、消費税率を引き上げたいと考えている。消費税率の引き上げは、重たい仕事なので、自ら政権を取って、自らの手で行うのは、しんどい。せっかく、野田首相が、「消費税率の引き上げに、政治生命を懸ける」と言っているのだから、重たい部分だけ、野田首相に、やらせよう。重たい部分が済んだら、つまり、法案が成立したら、解散総選挙を行い、政権を奪還し、おいしいところだけ、独り占めしたい。
自民党執行部は、そう考えているんだ。悪い見本だから、真似しちゃダメだよ。』
中学生に質問されたら、そうとしか、答えようがない。だから、「自民党執行部の言動に、義は無い。あるのは、利己心だけである」と、書いた。私は、自民党の党員である。情けないとしか、申し上げようがない。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則