衆議院解散権は、総選挙の時期指定権ではない | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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労働基準法39条5項
使用者は、前各項の規定による有給休暇労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。



 ざっくりと言えば、ある一定の期間、継続して勤務する労働者には、有給休暇の時季を指定する権利がある。そして、その使用者には、労働者が指定した時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合のみ、有給休暇の時季を変更する権利がある。
そして、この国の首相の衆議院解散権は、国会の暴走に対する歯止め、抑止力であって、衆議院議員総選挙の時期指定権ではない。

 7年前、小泉純一郎内閣が、小泉氏の長年の公約である郵政3事業の民営化を実現するための法案を国会に提出し、衆議院で可決、参議院で否決された。そして、小泉氏は、衆議院を解散した。いわゆる、郵政解散である。

 あのとき、小泉氏の行動を、さんざん批判した、多くの政治家や評論家は、「首相の衆議院解散権は、国会の暴走に対する抑止力であること」を、全く理解しない人である。
小泉氏にしてみれば、「国会は、両院合わせて全体として、民意からかけ離れている」と判断したから、憲法に基づいて、国会に対する抑止力、つまり、衆議院解散権を行使しただけである。

 首相以外の国会議員が、首相に対して、「国会に対する抑止力、つまり、衆議院解散権を、いついつまでに行使しろ」だとか、「行使するな」と言うことは、憲政を理解していない愚かな行為である。
大切なことなので、重ねて申し上げるが、衆議院解散権は、総選挙の時期指定権ではない。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則