国会を形骸化させることは、"いつか通った道"である | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 北米東部にあった13の入植地(Thirteen Colonies)が独立して建国された、歴史浅いアメリカ合衆国の本土には、宮殿がない。が、1959年に、準州から州になったハワイ州には、ハワイ王国時代に建てられた宮殿がある。

 そのハワイ王国には、米国海軍のペリー代将が日本の浦賀にやって来るよりも前から、白人が進出していた。ハワイ王国は、「近代化を急がなければ、植民地化される」という危機意識の中、1840年に憲法を制定した。その50年後の1890年、東アジアで最初の近代憲法である大日本帝国憲法が、施行された。
選挙で当選した議員が審議を行う衆議院の歴史は、その1890年に始まる。

 急に歴史を振り返ってみたのは、昨今の、民自公の密室協議連発を見ていると、大政翼賛会という言葉が、ちらちらと思い浮かんで仕方ないからだ。当時も今も、この国は、議会制民主主義の国である。1938年に公布された国家総動員法(昭和13年法律第55号)も、議会で審議されて成立した法律である。「適正な手続き」(due process of law)を経て成立した法律である。

 大政翼賛会も、形式上は、「適正な手続き」を経て成立した組織である。どんなに、民主主義の制度を整えても、意識が伴わなければ、実態は、民主主義から遠のいてゆく。職業軍人である陸軍省などの官僚が指示すれば、99%の国民が望まないことであっても、実行された。

 国会を形骸化させてはならない。それは、"いつか通った道"である。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則