先日、横須賀市に隣接する三浦市で、無人の野菜直売所を見つけ、懐かしく感じた。私自身は、そう多くの国を訪れたことがある訳ではないので、不正確かもしれないが、無人の売店がある国は、日本だけではなかろうか。
都会を離れると、まるで、その地域の治安や各人の良心を、試すかのような仕組みに出くわすことがある。人口密度が、都会ほど高くないので、何事も、限られた人数で成し遂げなければならない。
駅に駅員が常時いるとは、限らない。ソニーが開発したFeliCaと呼ばれる方式を採用した運賃蓄積型カード乗車券(Suica、ICOCAなど)用の改札機が設置されていなくて、かつ、駅員が不在の駅の間では、不正乗車をしようと思えばできてしまう時間帯もある(注・駅員が昼間いないICOCA対応駅は、存在する)。にも関わらず、一定の治安が保たれている。
私は、この国に、無人の野菜直売所があることを、誇りに思っている。スーパーマーケットで、自分の私物が入った鞄をかかえたまま、買い物ができる。そういう国は、他に、いくつあるだろうか。
大抵の国では、私物が入った鞄をコイン式無料ロッカーに預け、回転式ゲートを押さなければ、売り場に入れない。
少し、感傷的になり過ぎてしまった。先月、20ある国家公務員共済組合の、給付に要する費用に対する国庫負担金の集計を、私なりに試みた。その後、個人的に、地方公務員等共済組合法を参照しながら、地方公務員の共済組合の、給付に要する費用に対する地方公共団体の負担金を、目の当たりにして愕然とし、感傷的になってしまった。
この国は、一般職の国家及び地方公務員(海上保安官、警察官、消防吏員を除く)の天国である。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則