辛い経験を余儀なくされた者が、碑を建てようと思うだろうか | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 米国のハワイ州は、全米50州のなかで唯一、人口構成において白人が過半数を占めない州である。カリフォルニア州は、メキシコなどから移住したヒスパニックと呼ばれる人々の多くを白人とすれば、未だ、白人が過半数を占めている。白人が少数派であるワシントンD.C.は、州ではなく特別区である。

 先の大戦中、10万人を超える日系人が、米国にとっての「適性外国人」として、資産を没収された上、米国西部の人里離れたところに設けられた強制収容所に、収容された。日系人であるダン・イノウエ上院議員などの尽力により、日系アメリカ人に対する戦時補償の法律(Civil Liberties Act of 1988)が制定されたのは、戦後40年以上経った1988年のことである。

 その前年、私は、初めて、ホノルル港にあるアロハタワーを訪れたが、その建物の片隅で、"JAP"云々と書かれた、かなり古い落書きを目にし、暗澹とした気持ちになったのを覚えている。

 反日感情が強かったと言われるフランクリン・ルーズベルト米国大統領が、米国憲法の修正第4条Fourth Amendmentに真っ向から相違する、この資産没収及び隔離政策を、強行した。

 朝鮮半島には、他国の国旗を燃やして気勢を上げたり、わざわざ、他国の国会議員の等身大の人形を作り、それを燃やして奇声を発する者がいる。「私がまともな人間でないことを、是非、理解してください」、そう宣伝しているに等しい行為である。
「何度もそんな宣伝行為を繰り返されなくても、とっくの昔に、そう理解してますよ」と、申し上げたいが、そう申し上げて、通じる相手ではないだろう

 本当に辛い経験を余儀なくされた者が、その辛い経験に関する碑を建てようと、思うだろうか。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則