この国の国会議員の中には、なぜ、こんなにも、お人好しな人が多いのだろうか。昨年、現職の首相による"辞める辞める詐欺"にあったことを、もう、お忘れなのだろうか。簡単に、他人の言うことを信じてはならない。
法律の条文の中には、努力義務規定と呼ばれるものがある。たとえば、「幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない」というのが努力義務規定で、社会の状況を見て、義務規定に変更するかもしれないが、今しばらくは、義務規定にせず状況を見守ります、というものである。
なので、努力義務規定が義務規定になることは、ある。しかし、その逆を、私は見たことがない。
(旧) 郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式は、移行期間中に、その全部を処分するものとする。
(新) 郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式は、その全部を処分することを目指し、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の経営状況、次条に規定する責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、処分するものとする。
ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式売却に関する条文は、上記のように、下線部を入れ換えることに、なりそうである。
そして、「いわゆる郵政株売却凍結法(2009年成立)を廃止するから、郵政民営化法7条1項に基づき、3分の2未満の日本郵政株を売却できる。それを復興財源にすることもできるから、前進だ」と、主張する衆議院議員もいて、本日の午後、郵政民営化法改正法案が、衆議院を通過した。
政治家にとって大切なのは、「実行するかしないか」である。「法律上できるかできないか」ではない。「そんな甘ちゃんやから、ならず者に同胞をさらわれ、ミサイルを向けられてんだろうが。違うかよ」と申し上げたいが、ぐっと飲み込んでいる。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則