共産党が一党支配をするあの国は、本当に共産の国だろうか | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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 中国共産党が、事実上、一党支配をしている中華人民共和国の上海市を、私が初めて訪れたのは、14年ほど前である。当時は、まだ、海岸沿いの浦東空港は建設中で、市中心部より西方にある虹橋空港に、降り立った。雨が降っていたのを、覚えている。

 「何をどうやって利益を得るかは、個人の責任において個人で判断してください」という経済の仕組みや、普通選挙によって選ばれた議員達が審議をして決めた法律に基づいて、社会を運営するという政治の仕組み。どうも、それらとは違う仕組みによって運営されているらしい社会とは、どのような社会なのだろうか。訪れる前は、それなり興味津々だった。

 訪れてみると、街の巨大歩道橋の下で、両足が欠損している人が、物乞いをしている。街を歩きながら日本語でしゃべっていると、手製の絵はがきをこちらに向け、「カッテクダサイ」と何度も発声し、後をついて来る人がいる。福祉国家でもないし、平等を重視する国家でもなかった

 共産主義は、"communism"の訳語だろう。試みに、"New Oxford American Dictionary (3rd edition)"で、意味を調べてみると、次のように書かれている。

a political theory derived from Karl Marx, advocating class war and leading to a society in which all property is publicly owned and each person works and is paid according to their abilities and needs.

 "leading to"以後の、「どんな社会を目指す考え方か」の部分。赤字部分はさておき、青字部分は、多くの国が目指していることだ。が、一党支配の中国は、個人の能力や必要性に応じて、各々が働き、そして給与が支払われることを、本当に目指しているだろうか。かの国は、共産の国ではなく専制の国である。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則