前回の投稿では、たまたま、メキシコ湾内での原油流出事故に言及したが、もちろん、尖閣諸島やスプラトリー諸島(中国語表記は、南沙群島)に関する中国の動きを念頭に置き、「地球の内部深くにある天然資源」について書かせていただいた。
「隣国が領有するある島々の周辺の海底を掘れば、原油や天然ガスなどが採掘できる可能性がある」ことを知るや否や、ぬけぬけと「その島々を領有するのは、隣国ではなく我が国である」と主張し出す国が、現実の世界に存在する。吉本新喜劇の中で、そんなことを言い出せば、他の登場人物から、一斉にツッコミが入るのではないか。それくらい、呆れ返る主張である。
技術革新によって、海底を掘削して天然資源を採掘する技術が、進んだ。残念ながら、ならず者のような国家は、現実の世界に存在する。もっと技術が進み、排他的経済水域の海底の開発が容易になれば、どうなるのだろうか。世界には、無人島がたくさんある。海底資源の存在が明らかになる度に、尖閣諸島やスプラトリー諸島をめぐる問題と同様の問題が起きる可能性があるということなのか。
分譲マンションの建物には、専有部分と共用部分がある。共用部分は、区分所有者全員の共有に属する(建物の区分所有等に関する法律11条1項)。地球の内部深くにある天然資源、特に、海底資源に関し、現在の"排他的経済水域という取り決め"を越える取り決めをしなければ、今世紀も、天然資源奪い合いの世紀になってしまうのではないだろうか。
神奈川県にて
佐藤 政則