内閣不信任決議は、全閣僚を信任しない旨の決議である | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 しばらく投稿が滞り、誠に申し訳ないです。生きておればこそ、精神的にこたえる出来事にも巡り会うものだけれど、延長国会における、野党、特に自民党の戦略性の無さは、ただでさえ潰れそうな精神には、誠にこたえる。

 6月23日に始まった延長国会において、与野党は、早期の「菅降ろし」で、意見を同じくしていた。二次補正予算が成立した7月25日以降は、野党にとって、内閣不信任決議案を可決する、もしくは、内閣信任決議案を否決する好機であったはずだ。自民党執行部は、6月2日の失敗で、倒閣の意志を失ってしまったのか。

 内閣不信任決議は、内閣総理大臣のみを信任しない旨の決議ではない。字義通り、内閣を信任しない旨の決議である、つまり、内閣総理大臣及び全閣僚を信任しない旨の決議である。なぜなら、内閣は、内閣総理大臣と国務大臣で組織される(憲法66条1項)からであり、内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う(憲法66条3項)からだ。

 内閣不信任決議案を可決することにより、もしくは、内閣信任決議案を否決することにより、菅直人内閣を総辞職に追い込めば、当然のことながら、菅内閣の閣僚は、今般の民主党代表選には、出馬しづらくなる。建前上は、いわゆる"一回休み"を、余儀なくされる。そうでなくても、民主党は、大臣職を務め上げることができる人材の不足を、隠し切れなくなっている。

 野党は、菅直人氏に言われるがまま、彼が挙げた退陣条件を整えることしかしなかった。野党、特に自民党の執行部は、どういう戦略に基づいて、意思決定を行っているのか。今般の民主党代表選に出馬した5名は全員、第94代首相菅直人氏の内閣における閣僚及び閣僚経験者である。


神奈川県にて
佐藤 政則