また、増やすそうだ。「行政改革、行政改革」という掛け声の中、省庁の数を、とりあえず減らしたのに、隙あらば、増やそうとする勢力がある。観光庁、消費者庁、そして、今回、復興庁。あるときなど、「厚生労働省を、厚生省と労働省に分割すべきだ」と、主張する国会議員がおられた。笑い話のような話だけれど、実話である。
上記の、増やそうとする勢力とは、いわゆる官僚である。組織を増やし、役職を増やす。一度、予算が付けば、その予算を、隙あらば増やす。どうも、国会議員の中には、騙されやすい人が多いようである。先般の"辞める辞める詐欺"の一件を見て、私は、正直、呆れている。
しかも、今回の、復興庁の設置は、自民党と公明党の主張によるものだそうだ。官僚にしてみれば、民主党の議員だけでなく、自民党の議員も、与し易い相手に過ぎないようである。
過日、中国大使館に土地を売却した件で、その名を世に広めた組織がある。略称がKKRである、国家公務員共済組合連合会である。土地売却問題にも、申し上げたいことはあるが、今日は、「●●連合会」とあることに、注目していただきたい。
厚生年金保険の被保険者で、かつ、協会けんぽの被保険者であられるサラリーマンに方々にとっては、信じられないことかもしれないけれど、国家公務員の共済組合は、全体で一団体が存在するのではなく、各省などを単位とする共済組合が、20団体あり、それら20団体の連合会が、KKRである。
セクショナリズム、部署偏重主義とは、まさに、このことである。昔から存在する省の官僚は、そうではない省の官僚を、自分より下だと考えている。下の者と同じ共済組合に入ることなど、彼らには考えられない。もちろん、厚生年金保険などとの一元化を実現させる気など、全くない。
どの国においても、官僚とは、所詮、そういうものなのか。
神奈川県にて
佐藤 政則