学生の頃は、大阪で過ごした。各駅に突っ込みどころがあり、突っ込みどころ満載と、今も昔も言われているらしい、あの京阪電車の沿線に住んでいた。もう20年以上前のことなので、記憶が定かではないが、とある合宿が、京都府八幡市の石清水八幡宮の境内にある研修施設であり、それに参加するために、京阪の八幡市駅で降り、男山ケーブルに乗ったのを、覚えている。京阪の八幡市駅とは、なぜか駅前にトーマス・エジソンの胸像がある、あの八幡市駅である。
石清水八幡宮は、男山の山上にある。その男山の名が付けられたお酒を、昨日、横浜開港祭のイベント会場である山下公園で、買った。山下公園で、東北地方の復興を支援するための東北物産展があったからだ。私は、ほとんど飲めないクチなので、生まれて初めて、お酒を買った。訳あって、買った。
売り子をされていた、蔵元のお若い従業員の方に伺ったら、このお酒の製造再開は、まだまだ先だそうだ。目の前の山下公園は、日常そのものだけれど、3月11日に日常を失った多くの方々は、日常を取り戻すために、途方に暮れるほど長い道のりを、歩かれている。凡人である私は、自身の日常生活を大切に送りながら、その中で、できることを、一つ一つしていくことしかできない。帰りの根岸線の中で、そう思った。
神奈川県にて
佐藤 政則