日本国政府が国家だと承認していない、朝鮮民主主義人民共和国と呼ばれる地域にも、もちろん、憲法があり、法令があり、議員が直接選挙で選ばれる。余談だけれど、『国』の旧字は、『國』である。『國』から、口(くにがまえ)を取り去り、土(つちへん)を左側に付ければ、『域』である。
よそのことは、あまりよく知らないが、日本国の国会の衆議院議員320名以上が、通謀すれば、つまり、示し合わせて事を企めば、一時的には、どんな法律でも、制定することができる。もちろん、制定された法律が、悪法である場合、最高裁判所が、その法律が憲法に適合するかしないかを決定する(憲法81条)。が、最高裁といえども、法律として制定される前に、「悪法だから制定するな」と、言うことはできない。
では、法律ではなく、予算の場合はどうか。衆議院議員241名以上が通謀すれば、どんな予算でも制定することができるのか。憲法の第7章、83条から91条までは、財政に関する条文であるが、衆議院議員241名以上が通謀して、悪法ならぬ悪予算を制定することを、抑止するための条文は、無いに等しい。公金の取扱いに関することが、89条に書かれているが、89条は、意図的に当たっていかない限り、抵触しようがない条文である。最高裁といえども、悪予算を違憲だと、決定することはできない。
だからと言って、衆議院議員241名以上が通謀すれば、容易に、悪予算を制定することができる訳ではない。財政法という縛りが、あるからである。しかし、平成23年4月1日から現在まで、この財政法が、ないがしろにされ続けている。
かの地にも、憲法があり法令がある。この国の法令は、いつから、かの地の法令のようなものに、なってしまったのか。私を含む日本国民、特に、国会議員721名は、猛省すべきである。
神奈川県にて
佐藤 政則