先日、東京電力が、"工程"表なるものを発表した。専門家の方々の英知が集約されたものであり、国民の不安の一部を解消してくれる内容が、必ず含まれているのだろうと、期待した。が、ものの見事に、期待はずれだった。目新しい内容は、何も含まれていない。3か月後、さらに、そこから3-6か月後。そう設定した根拠が、全く示されていない。
中学生が、先生に、「定期テストまでの2週間の、家庭学習の計画表を、作成して提出しなさい」と言われて、渋々、いかにも計画表っぽいものを、作ってみた。東電の"工程"表は、それと、何ら変わらない。不安を解消してくれるどころか、私の不安は、より一層、大きくなった。
大地震、大津波、水素爆発、海水の放水があった。加えて、そういう状況における経年劣化が、日々、どんどん進む。状況は、日々、悪化し続ける。気象庁が、先日、M8以上の地震の発生の可能性に言及していたが、M8以上の地震が、近い将来、必ず発生すると、想定すべきであることに、異を唱える人は、あまりいないと思う。
既存の冷却装置の能力を、仮に100pwと、します(もちろん、そんな単位はないです)。大地震、大津波、水素爆発、海水の放水がなければ、100pwの冷却装置で、制御棒を入れ核分裂を止めた原子炉を"冷温停止"させることは、充分できる。
大地震、大津波、水素爆発、海水の放水があった。ならば、100pwではなく150pwの冷却装置が、必要なのではないか。なのに、今は、既存の冷却装置が復旧する見込みが立たず、100pwではなく、70pwしかない。
なので、80(=150-70)pwを、新規の冷却装置で、補う必要がある。加えて、日々、経年劣化が激しい。M8以上の地震にも、備えなければならない。東電の"工程"表には、具体的な、新規の冷却装置の話が、盛り込まれていなかった。差の80pwは、どうやって埋めるつもりなのか。
何か案をお持ちの人が、原子力安全・保安院に、サイトなどを利用して、案を伝えることは、今、とても重要なことだと、思う。
神奈川県にて
佐藤 政則