♫ また会うときは、大人になっているだろう
別れたくないのに、冷たいこの世界
(マークⅡ、作詞作曲・吉田拓郎)
昔は、大人がいた。子供は、いつまでも子供でいられるわけではなかった。大人にならなければ、ならなかった。そういう昔において、立派な大人がいたかどうかは、かなり怪しい。しかし、心の中には、大人という概念が存在していた。
私は、博愛の精神は持ち合わせていない。狭い心しか、持ち合わせていない。離れたくないと、その昔、私が思った人が、ここ関東に住んでいる。居ても立ってもいられなくて、先月21日から、"上京"している。その昔、お守り申し上げることができなかった。今、間接的にせよ、その人をお守り申し上げることができなければ、これ以上、馬鹿面を晒して、生きていたくはない。
現在、福島第一原発において、第1から第4までの原子炉の周囲何メートルまでなら、防護服を着用した作業員が、作業を5分間するために近づけるのか、分からないが、ISOタンクコンテナを活用することにより、大至急、タービン建屋地下のたまり水を除去するということを、実現することができなかった。自身の無力を痛感している。
「可能なら避難して欲しい」と言う私に対し、"その人"は、「勤め先から避難するよう指示がなければ、避難はできないわ」と、おっしゃった。
福島第一原発の、未だ、冷温停止の状態に持ち込めていない全ての原子炉を、冷温停止させるまでは、諦めるわけにはいかない。
神奈川県鎌倉市にて
佐藤 政則