車中生活ゆえ、普段通りとはいきませんが、マクドナルドなどの公衆無線LANを利用し、情報収集をしています。あらためて、日々の生活の全てが、文明の利器の恩恵を受けていることを、感じております。
若い頃、中公新書「大衆消費社会の終焉」という本を読んだことを、思い出した。読んだことを思い出しただけで、内容などを思い出したわけではなく、また、その本が今、手元にあるわけでもない。
私を含む、高度経済成長の只中において生を受けた世代の者は、季節ごとに、新型の電気製品の発表発売があり、数年ごとに、新製品、つまり、今までになかった新しい種類の電気製品の発表発売があるのは、至極当然のことであった。それが、進歩であり、その進歩は、日々の生活を快適にしてくれて、我々の社会は、より住み良い社会になると、思っていた。
鉄腕アトムという漫画がある。私より上の世代の方々にとって、懐かしい響きがする漫画だと、推察する。アトムとは、atom、原子のことである。アトムとは、輝かしい未来を象徴するものであった。
ヒトラーの下、研究開発が進められてきた原子力は、第二次世界大戦中、日本を含む各国が、こぞって研究開発をした。戦争に勝つために、である。結果、1945(昭和20)年の夏、広島と長崎に、原子爆弾が投下された。戦後、日本は、原子力に関しては、平和利用に徹してきた。
そして、今、未曾有の原発事故が起きている。今は有事なので、地震と津波直後の初期対応の是非を考えることは、数カ月先の者に譲る。
「生き残った者は、大量生産大量消費を推し進めることの是非を、改めて考えろ」、そう言われているように、感じている。私一人では、ほんの少しも動かすことができない、とても重く大きな課題である。
静岡県にて
佐藤 政則