米国海兵隊の普天間飛行場の移設が、全く進まない。普天間飛行場と市街地が隣接し、飛行場周辺の住民が、現に危険にさらされ、健康で文化的な最低限度の生活を営むことができない状況にある。そのことを、解決するために、日本国政府が米国政府に移設を提案し、両政府が移設に合意してから、何年の歳月が経つのだろう。
自民党政権下において、政府は、移設候補地の名護市辺野古の方々、及び、辺野古に移設した場合に騒音などの影響を受ける名護市久志と豊原の方々と、時間をかけて話し合い、条件を詰めた上で、辺野古移設を決めた。その後、民主党政権下において、ドタバタ劇が繰り広げられ、今もなお、普天間飛行場の使用が続き、周辺の住民が危険にさらされている。
近代国家の国民の地元は、国の領土全域である。もちろん、兵庫県民の地元は兵庫県全域であり、横須賀市民の地元は横須賀市全域であり、○○地区の住民の地元は○○地区全域である。久辺地区(久志、豊原、辺野古)の多くの住民の方々は、地区住民としては反対であるけれども、日本国民として苦渋の決断をして、辺野古移設を受け入れられたのだと、私は思っている。
今の日本は、封建社会ではなく、近代国家である。国会議員おひとりおひとりは、全ての国民を代表している。小選挙区で当選した国会議員も、その選挙区内に住所を有する国民のみを、代表しているのではない。久辺地区の多くの住民の方々が、近代国家日本の国民として、苦渋の末、下した英断を、無にして平気な国会議員が多すぎて、むなしい。