投機をする者は、常にカモを探す | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 1971年のニクソン・ショックの後、1973年に円は変動相場制に移行し、その後は、米国が財政赤字と貿易赤字に苦しむ度に、円高ドル安に誘導されることになる。

 1985年のプラザ合意の直前に240円台で推移していた円ドルレートが、プラザ合意後に円高が進み、10年後の1995年には、80円を割り込むところまで、円高が進んだ。10年で、円のドルに対する購買力は、実に3倍になった。

 そして、2001年以降の対テロ戦争の遂行や、詐欺的商品であるサブプライム住宅ローンという莫大な不良債権による経済低迷によって、米国の財政赤字と貿易赤字が増大し、今また、円高が進んでいる。2007年に120円台だったレートが、現在は80円台前半であり、3年あまりで、円のドルに対する購買力は、ほぼ1.5倍になっている。

 投機マネーを動かす者は、市場において、常にカモを探している。転売して利ざやを稼ぐとは、そういうことである。最大の投資家から見れば、そこそこの投資家はカモである。
ましてや、物作りの技術は一流だけれど、米国やヨーロッパの国が作り上げた、どちらかというと強者に有利な制度にあまり異論をはさまない国民は、もっとカモである。

 現在ある制度や仕組み、枠組みを、どう修正していけばいいのか。学者や政治家だけでなく普通の国民も、知恵を絞って考えなければいけないと、思う。