「失われた10年」どころか、最近では、「失われた20年」という言葉も、見聞きする。
たとえ今、ほどほどの暮らしぶりでも、年々、少しずつでも生活が苦しくなっていて、そのトレンドに歯止めがかかる気配がなければ、気分は上向かない。つまり、閉塞感を感じる。
逆に、たとえ今、生活が苦しくても、年々、少しずつでも生活が良くなっていて、そのトレンドが変わる気配がなければ、気分は上向く。つまり、未来志向になる。
約44兆円分の国債を新規発行し、償還する額は約20兆円。返す額以上の額を借り入れているので、借金は、年々、膨らんでいく。
そんな状況のときに、児童手当の額を増やし、受給資格者の範囲を拡大し、名称を、「子ども手当」に変更する。
返す額以上の額を借り入れている状況のときに、一部の高速道路を無料化する。もし、無料化するなら、まず、建設費を払い終えている道路(名神や東名など)から、実施すべきではないのか。なぜ、建設費を払い終えていない道路をわざわざ選んで、無料にするのか。誰がその建設費を払うのか。なぜ、わざわざ「非受益者負担」の政策を実行するのか。
国民が、将来に不安を感じているときに、中央政府が、返す額以上の額を借り入れながら、国民に金銭的価値を配る政策をしても、国民の不安は、絶対に解消されない。
テレビのバラエティー番組で見かける、膨れ続ける風船を渡しあうゲームを、連想するが、生活は、ゲーム(遊戯)ではない。膨れ続ける風船を、次世代に渡して平気な人は、少ないと思う。