2024年8月22日~9月16日 月組全国ツアー公演
前物は柴田作品の再演で、芝居達者な主演陣の力もあり、大人な芝居を見せてくれました。さてレビューの方は、前トップスター月城かなと・海乃美月のサヨナラ公演用の作品を、新トッププレお披露目公演として新場面も入れての再演となります。
金沢歌劇座 9月3日13時30分開演、2階37列で観劇。
※ネタバレ注意。
●レビュー・アニバーサリー「Grande TAKARAZUKA 110!」 作・演出/中村一徳
宝塚歌劇が110年に亘り培ってきた歴史と伝統を受け継ぐと共に、新しい時代、歴史への始まりを祝うレビュー作品。伝統的レビューへのオマージュから「月」をイメージした壮大な未来へのメッセージ、そして宝塚歌劇の永遠のテーマである「愛」と「夢」の楽曲で構成する場面等、永遠なる宝塚レビューへの想いを綴るレビュー・アニバーサリーを、新生月組による全国ツアー版として上演。
◆プロローグ(Grande TAKARAZUKA 110!)
別緞帳のCGがなく、緞帳が開くと鳳月杏が一人で主題歌を歌い始めます。そして全員でのプロローグは、人数は少ないのに華やかさがあって天紫珠李、水美舞斗らの存在が、この座組の安定感を出してました。ホント、このままマイティが二番手でエエのに。
プロローグ後は組長梨花ますみと若手娘役の咲彩いちご、チノチノイチノの一乃凜の三人が「TAKARAZUKA Revue 110!」を歌います。この学年差よ(笑)
◆イタリアの月夜
全ツ用の新場面で、まずは鳳月がどっかで誰かが来てた衣装で客席降りで大サービス。そしてイタリアの街での男女の恋模様。ここの紳士・淑女の衣裳もどっかで見たなぁ・・・。それが気になって、場面があんまり頭に入って来なくて、印象の薄い場面になってしまいました。礼華はると白河りりコンビのビジュアルの良さに見惚れましたね。
◆アヴァンギャルド!
大劇場公演時にちなつがやっていた場面をマイティがやります。ちなつは金色の手袋とブーツが強烈で強いインパクトでしたが、マイティはブーツがブルーに変わってました。前衛的な場面ながらも、アップテンポなオリジナル曲がカッコよくて、マイティと組んだきよら羽龍が可愛すぎ。マイティもこういう場面はお手の物という感じ。見てるだけでは何を意味する場面なのかよく分かりませんが、なんか好きな場面なんです。
◆ルナ・ルージュ
スパニッシュな中詰。スターの歌い継ぎ、ビシバシ決まるダンス、娘役がズラッと揃った時の壮観さ、そして客席降りと盛り上がりまくりなんですが、客席降りがある時の2階席はアウェイ感が半端ない(笑)。生徒さんたちは二階席にも手は降ってくれましたがね。一旦締めた後の新トップコンビ場面が追加され、改めてこのコンビのアダルト感が感じられました。
◆タカラヅカ110!
風間がやってたところを七城雅が抜擢され、プリティ・ボーイとしてロケット場面へ繋げて行きます。若手らしい溌溂とした感じで、ロケットもおはねがセンターで、新体制という雰囲気がありました。おはねも宙組に行かなくて良かった~(T_T)。「A Pretty Girl Is Like A Melody」を聞くと、小原弘稔氏の「ザ・レビューⅡ」「フォーエバー・タカラヅカ!」を思い出しますね。中村一徳氏は小原氏のレビューを受け継いでいると思います。
◆天にきらめく月に舞う
大劇場では退団する月城かなとの「雪月」という素敵な場面でしたが、今回は新場面となります。まずは専科で鳳月と同期の凛城きらが、自身の芸名を込めた「凛と煌く」という歌詞も入った場面名と同じ曲を歌い、その後鳳月が登場し同期二人で歌うのは感慨深いものがありました。そして天紫、水美も登場し全員での総踊りで新生月組の未来を歌いあげます。前回とはまた違ったお祝いムード的な場面で、これからの月組への期待を感じます。
最後は水美がソロで「美しく舞う新しい時代へ」を歌い、締めます。マイティが月組に違和感ないのが良い。
◆フィナーレ
礼華・白河が「ムーン・リバー」、天紫が「ムーンライト・セレナーデ」を歌いフィナーレ冒頭をしっとりと歌います。ホント、天紫が素敵な娘役になったなと思いましたね。
黒燕尾での群舞では鳳月、水美、礼華の並びに「なんちゅうカッコよさ!」とシビレ、デュエダンでは黄色い衣装で「愛の挨拶」でトップコンビが楽しそうに踊るのが印象的でした。咲彩のカゲソロも素敵。
◆Grande TAKARAZUKA 110!(パレード)
大劇場公演に続いて、チノチノイチノがエトワールで美声を響かせ、マイティの二番手羽根に大拍手、新トップコンビにも大拍手で幕となりました。
やはりベタな王道レビュー作品を見ると、宝塚を観た気分が増しますね。
しかしこの月組新トップコンビの安定感は半端ないわ。ただ大劇場お披露目の芝居が大野氏なんで心配ですがね。