2024年6月20日~6月30日 宝塚大劇場・宙組公演
世間や宝塚ファンを揺るがす大事件により、昨年10月から公演が中止となっていた宙組が、予定されていた作品を変更し、急遽ショーだけの特別公演として再開。
まぁ私も長年の宝塚ファンですから、宙組や歌劇団に対して思うところは多々ありますが、私のブログはあくまでも公演の感想を語るところだと思っているのですが・・・。
6月30日13時公演、1階18列目で観劇。
※ネタバレ注意。
●「Le Grand Escalier-ル・グラン・エスカリエ-」 作・演出/齋藤吉正
わが国初となるレビュー『吾が巴里よ<モン・パリ>』が、欧米視察を経た岸田辰彌の帰朝作品として1927年に上演されて以降、様々なレビュー作品を生み出してきた宝塚歌劇。その110年の節目の年に、積み重ねてきた歴史と、携わってきた先人たちへのオマージュを込めた華麗なるレビュー作品。
◆Le Tricolore A~D
幕開きはベタにパリレビューでオープニング。大階段センターに芹香斗亜が立ち、大階段のトリコロールの敷布が取られると、中からレビューの紳士・淑女が登場する華やかさ。「モン・パリ」から始まり、パリ・シャンソンメドレーで次々とスタークラスが登場します。現宙組のスター地図が確定したのがよく分かります。特に春乃さくらの華やかさ、桜木みなとの二番手としての安定感、それに続く鷹翔千空や風色日向の存在感が増してます。娘役では二番手格の天彩峰里に続いて、フレッシュな山吹ひばりがいい感じ。
この場面を見てると、花組の「アルカンシェル」でこういうプロローグをやったら、一本立てとしての迫力があったのになぁなんて思いました。
プロローグ後のカーテン前では「エスカイヤ・ガールズ」を湖々さくら。愛未サラ、美星帆那が可愛く踊ります。
◆Le Tricolore E~F
続いてもパリを舞台に、「ダル・レークの恋」より「まことの愛」を瑠風が銀橋を渡って、これまた凛々しく歌いあげます。そして霧の夜に桜木が名曲「夜霧のモンマルトル」で、なんともダンディに踊ります。真白悠希の歌もなかなかのモノ。
◆Jungle
「夢人」を芹香が歌い、そこに蛇の鷹翔が絡み、その周りを水音志保や山吹らのカワイ子ちゃんの鳥が舞います。そしてジャングルに迷い込んだ芹香は、妖鳥の春乃と恋をする。齋藤氏の大劇場デビュー作の「BLUE・MOON・BLUE」より主題歌を二曲使い、最後には大きな鳥が羽ばたいていく壮大な場面でした。BMBは宝塚・東京・博多と公演し、三か所とも観劇するぐらいハマった作品でしたが、ここでこういう使い方もあるんだなと。
◆Carnaval
ブラジルはリオのカーニバルで、主にラテンショーの主題歌を綴った中詰。「ノバ・ボサ・ノバ」や「CONGA!!」などパッショネイトな場面が続きます。ラストは懐かしい「ザ・レビュースコープ」で高汐巴が歌った「Aye Caramba」で芹香がキング・パイナップルで登場。一旦締めた後に、鷹翔らで「サザンクロス・レビュー」でさらにヒートアップ。亜音有星、大路りせ、泉堂成ら期待の男役らも弾けまくってましたね。
◆SUMIRE協奏曲
春乃ら娘役陣が「ラ・ヴィオレテラ」を輪っかのドレスでゴージャスに。春乃って未知数かなと思ってましたが、結構実力ありますね。
◆Le Torero
マタドールらによるスパニッシュな場面で、まずは「哀しみのコルドバ」の「エル・アモール」。そして名曲「グラナダ」で、桜木がメインの闘牛の場面へと。これまで桜木は童顔から若干の頼りなさを感してたんですが、この数ヶ月でかなりの成長を遂げてます。ラストに歌う「コルドバの光と影」は良かったです。
◆Metropolitan Fantasy
「マンハッタン不夜城」の主題歌で始まり、ブロードウェイで夢を掴んだ青年と娘たちが、「ゴールデン・デイズ」で輝かしい未来を掴む・・・。ここでショーのプロローグ曲を持ってくると、ここがプロローグに見えてしまうような感じでしたね。
◆This is TAKARAZUKA! A~B
名曲を使ってのフィナーレ。まずは亜音・大路・山吹で「ザ・レビュー」をフレッシュに歌い、「アイ・ラブ・レビュー」を瑠風・鷹翔が一段と存在感と安定感が増して歌います。ロケットは「フォーエバー・タカラヅカ」。
◆This is TAKARAZUKA! C~G
そして大階段に一人芹香が立って、峰さを理の持ち歌の「愛の旅立ち」を熱唱。そこから舞台は一転し、桜木ら白燕尾の紳士たちが「セ・マニフィーク」、春乃が「夢を売る妖精」を歌い、最後に宙組創設時の「エクスカリバー」から「未来へ」を芹香を中心に歌いあげます。ここの構成がなんだかサヨナラショーみたいで・・・。デュエダンの「世界に求む」も取って付けたみたいで・・・。
◆Le Grand Escalier
パレードのエトワールは愛未。いろんなショーの主題歌メドレーでのパレード。
ショーだけの1時間20分はかなりのボリュームでした。まぁ構成はタカスペみたいでしたけど、急遽作った作品にしては良く出来ていたと思います。しかし私は全く楽しめずで、宙組生が笑顔で歌い踊るほど、頭の中にいろんなことが思い浮かんでしまって、拍手も手拍子も出来ませんでした。千秋楽故に客席全体が、かなり過剰な拍手になってたのも、私が興ざめした原因。
これが例のことがなく、宝塚歌劇110周年記念公演であれば、純粋に楽しめたんでしょうね、きっと・・・。
カーテンコールでは組長も芹香も、形式的な挨拶のみで、特にコレと言った気の利いた挨拶はナシ。まぁ劇団から「イランこと言うな」と言われてるのでしょうけど。
といあえず再開公演としては成功でしょうね。私もこれ以上イランこと言うのやめておきます。