花組公演 GRAND MIRAGE! | 続アメマのおとしもの

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2023年11月17日~12月12日 花組全国ツアー公演

 

前物の芝居が個人的にイマイチで・・・。後物のレビューは一度大劇場でやってる作品なので、期待はできそうですが、観劇前に配役を見ると役替わりが多く、主に柚香→永久輝、星風→星空、永久輝→凪七となり、全ツ用の新場面が入る感じです。これだけでも作品の雰囲気はガラッと変わるでしょうね。

 

富山オーバード・ホール 11月29日13時30分公演、 1階H列で観劇。

※ネタバレ注意。

●ネオ・ロマンチック・レビュー「GRAND MIRAGE!」 作・演出/岡田敬二

 

大いなる夢と愛に満ち、宝塚歌劇ならではの美しさと華やかさ、そして品格と馥郁たる香りを湛えたレビュー作品。カンツォーネの名曲で構成する場面や、花組全国ツアーメンバーのダンスの魅力に迫るヴァイタリティ溢れる場面等を展開。ロマンチック・レビューシリーズ22作目となる本作では、ネオ・ロマンチック・レビューとして、より新鮮で魅力的なレビューの世界を届ける。

 

◆プロローグ GRAND MIRAGE

序曲で幕が上がると4人の娘役たちが歌い始め、そして紫陽花の装置となり永久輝せあが登場して、ゆうたりとしたプロローグが展開。大劇場公演のライブCDを何度も聞いているので、どうしても脳内で柚香の歌声に変換されてしまうんですよね(笑)。  芝居では地味に感じたひとこもレビューではセンターに立つ華やかさがあり歌える強みが出ます。星空美咲も華やかさがあるし同様です。

凪七瑠海は流石専科らしい押し出しの強さがあると同時に、主演を立てている感もありました。

綺城ひか理、帆純まひろ、一之瀬航季らもいい位置で踊っていて目立ちます。昨今にはないガンガン押しのプロローグでないので、若い世代には古臭く感じるでしょうけど、私らはこういう宝塚を見て来たので、懐かしさを感じますね。

 

◆果てしなきMIRAGE

綺城、帆純、一之瀬、侑輝大弥らが「果てしなきミラージュ」を歌います。何度聞いても、昭和な歌です(笑)。 𠮷崎氏の楽曲も段々と色褪せ感が漂ってます。

 

◆遥かなるMIRAGE

柚香・星風でやっていた場面を、永久輝・星空に変更。

探検隊の一員の中尉が砂漠を彷徨い、砂嵐に巻き込まれて見たオアシスは・・・。

柚香の時は苦悩からの幻影の中での、ひと時の安らぎの表情がなんとも魅力的でしたが、ひとこの場合は苦悩よりも安らぎの方が勝っていて、星空との幻影の中での二人のなんとも言えないほんわかしたムードが印象的でした。それだけに砂嵐で幻影が消えた時の差が際立ちました。

 

◆VIVA カンツォーネ!

永久輝の場面を凪七が担当。大劇場公演時はカンツォーネでイタリアだけど、コスプレがなんとなく場違いに思ったのですが、今回はなんとも感じなくて、それはやはり凪七の華なのかなと思いました。「アルディラ」「Se Piangi, Se Ridi」「Amor, mon amour, my love」「Ciao Ciao Bambina」「Quando,quando,quando」など宝塚ではお馴染みの楽曲。

 

◆シボネー・コンチェルト

中詰のパッショネイトなラテン場面。ようやくガンガン踊って、テンポアップな曲で盛り上がります。星空がリフトされての登場に、客席がざわついたのも良かったです。

ここは男役のクサさをもっと出すと良かったのに、ちょっとあっさり気味なのが惜しいところ。ひとこが出てきたあと、ひっとしたら柚香が出てきそうな期待がしたり(笑)。

まぁ私がこの場面を1994年の星組で見た時は紫苑・白城・麻路で、もっとアダルトなムードでしたからね。

 

◆GOLDEN DAYS

間奏曲の「She」と「夜の街の幻影」が変更になり、凪七を中心とした全ツ用の新場面。まずはプリンスの凪七が「ああ、そは彼の人か」を歌い、その後は士官と淑女の舞踏会へと発展。プリンスはプリンセスの星空と出逢い、恋のデュエットへ。ここでも凪七の相手を星空が務めたことで、次期娘1なのかなと思いますね。それにはもう少し柔らかさとしなやかさが欲しいところ。

「夜の街の幻影」がカッコいい場面で好きだったので、こういうオペレッタの場面に変更になったのは、ちょっと残念。

 

◆ロケット

主題歌によるロケット。

 

◆ボレロ・ルージュ

ボレロのリズムで凪七から始まり、綺城・帆純、そして大勢になり、そして主演コンビになる流れが非常によく、三組のデュエダンも入ってるだけに、その後の間奏曲とデュエダンが蛇足に思ってしまいます。

 

◆ラ・ノスタルジー

三組の男女が「ジュテーム」をやっていたのを、黒燕尾の凪七・一之瀬・侑輝が「ラ・ノスタルジー」を歌います。岡田氏は相変わらず過去の自分の作品の主題歌を出すのが好きですね。

ここも黒燕尾の群舞に発展するのかと思いきや、三人だけで終わるので期待外れ。それならここを「ボレロ・ルージュ」の前に持ってきて、「ボレロ・ルージュ」を黒燕尾で踊るのはアカンのか?

 

◆フィナーレ(デュエット)

「So in Love」で永久輝・星空のデュエダンに、綺城の歌が入ります。

 

◆フィナーレ(パレード)

咲乃深音のエトワールでパレードへ。星空、永久輝は大羽根でしたが雉羽根の入ってないスタイルで、ここでも「トップでない公演」という無言のアピールが入るのが、宝塚のシビアなところ。

カーテンコールではご当地出身生徒もいないので、あっさりと終わりました。

 

 

全体的には大劇場公演時と感想は変わりませんが、やはり後半の構成がイマイチで眠かったです。それに前の列のオバハンがやたらと頭を動かすので、その度にセンターが見えなくなるので、イラっとしました。

このご時世の宝塚でしたが、やはり生の舞台はいいなと感じましたが、どうしても再演作は前と比べてしまうので、やる方もプレッシャーでしょうね。