花組公演 不滅の棘 | 続アメマのおとしもの

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2003年3月14日~3月23日 シアタードラマシティ・花組公演
ロマンス「不滅の棘」 原作/カレル・チャペック 脚本・演出/木村信司
 
春野寿美礼のドラマシティ初主演作。この公演より花組トップ娘役にふづき美世が就任しました。
 
3月14日(初日)16時公演、11列目で観劇。
 
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カレル・チャペックの戯曲「マクロプロス事件」を、新たな脚本で舞台化した作品。
1930年代のプラハを舞台に永遠の命を与えられた男の辿る数奇な運命を描き、生と死、善と悪、そして愛とは何かを問いかけるモノ。
 
木村信司の作品ということで期待してなかったのですが、コレが意外に面白かったのです。
1603年にギリシャのクレタ島である医師が息子に飲ませた薬が不老不死の薬であった。
そして1933年、超有名歌手になったその男が、過去に愛した女性の100年にも及ぶ裁判の手助けをする・・・。その手助けの理由は?
 
舞台も衣装も白一色!まずこれが異様な舞台設定を、ますます異様にしていました。
 
主演の春野寿美礼は348歳(やったかな?)。
歌が多い作品なので、歌唱力抜群の春野は流石です。第一幕のラスト近くのショー場面では女装もあったりして、驚きます。
あまり笑顔を見せない男の役でしたが、素敵でしたね。
 
相手役ふづき美世は100年前から続く裁判の原告フリーダ。トップにしては地味な方ですが、歌もお芝居もしかっりしていました。
 
二番手瀬奈じゅんはその裁判の弁護人の息子。フリーダに振られてるけど、今でもちょっと好き。そこへ現れた謎の超有名歌手に疑問を抱きます。
特にしどころのない役ですが、瀬奈だからこそ魅力ある役になっていました。
 
彩吹真央は裁判の訴訟相手の息子でアル中。
母親の愛情にも恵まれず、酒びたりの日々。そして妹の自殺。かわいそうな役でした・・・。
 
遠野あすかはその妹。
春野に少し恋するが、自分の母親も同じように恋し自殺を選ぶ。もうこの頃はあすかちゃんも力をつけてきて、いい娘役になってきました。次はトップかな?と思っていたら三年後に専科に行かされるとは・・・。
 
 
不老不死であることを人間は望むかもしれないが、ぞの立場になると「死ねない」ことに苦しむ。やはり人は、年相応に老い、人生を全うするのが一番と考えさせられる作品でした。