OG公演 心中・恋の大和路 | 続アメマのおとしもの

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1999年5月13日~5月16日 宝塚バウホール・OG公演
バウ・ミュージカル「心中・恋の大和路」-近松門左衛門「冥途の飛脚」より- 
脚本・演出/菅沼潤 演出/谷正純
 
宝塚を卒業した生徒による宝塚バウホールで公演した作品の再演。
卒業生による公演はショー的でお祭り的なモノが多くて、このように本格的にお芝居をするのは初だそうな。
しかも私が宝塚を見だした1992年以前には退団した人がほとんど。卒業生には基本的に興味はあまりないのだけど、今回は興味深々ということでバウで7800円の高いチケット代も仕方ない!ということで観劇しました。
 
5月14日18時30分公演ち列で観劇。
 
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この作品は1979年に星組の瀬戸内美八遥くららで初演、1982年に星組瀬戸内美八姿晴香、1989年月組剣幸こだま愛、1998年雪組汐風幸貴咲美里と何度も再演されています。
物語は大阪の飛脚問屋・亀屋忠兵衛が新町の遊女梅川にハマッてしまい、丹波屋八右衛門へ渡すべき為替五十両を身請けの手付けとして払ってしまったことから、忠兵衛と梅川は雪の山へ逃避行・・・。
 
完全なる悲劇です。
亀屋忠兵衛は初演の瀬戸内美八。物語の主人公としてはヒーローではないし、どちらかというと優男。瀬戸内美八本人も最初はこの役に抵抗があったそうですが、段々と物語の魅力に惹かれて、この役が好きになりあたり役となりました。初めて生でみた瀬戸内美八!やはり往年のトップスターのオーラが半端じゃなかったです。
 
梅川の若葉ひろみ
この役には初挑戦ですが、遊女のしなやかさと艶やかさが素晴らしいです。やはりこの役は若い娘役には出せない魅力ですね。
 
丹波屋八右衛門も初演と同じ峰さを理。やはり上手い!歌が素晴らしい!初演と同じトップ瀬戸内美八、二番手峰さを理時代を見れたようで嬉しかったです。ラストシーンの「この世にただひとつ」の絶唱は、雪山に倒れる忠兵衛と梅川の悲しさを倍増させ、涙が止まりませんでした。
 
亀屋の隠居妙閑と忠兵衛の父孫右衛門の二役をベテラン淡路通子が演じ、妙閑の飄々とした味わいと、一転してわが子を思う孫右衛門の悲哀が素晴らしかったです。
 
亀屋の手代与平を朝香じゅん
トップ目前の二番手で退団してしまった朝香じゅん。初めてみた朝香じゅんに只々感動!素晴らしい与平でした。
 
他には現役タカラジェンヌで専科の鈴鹿照、萬あきら、藤京子、汝鳥伶らがお芝居を締めてくれます。
 
 
もうコレがお芝居!コレが日本物!という演技の数々を見て7800円が安く思いました。
今の宝塚ではちょっとコレだけの重厚で艶のあるお芝居は観れないように思います。
それはこのお芝居に出ているOGさんたちの今まで培ってきたものでしょうね。