久々に読書の感想〜「月の立つ林で」 | 心にうつりゆくよしなし事を

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グルメ、折り紙、史跡めぐり…
興味ある事を、心に浮かぶままに
綴っていきます

先日、2023年の本屋大賞が発表されまして

私が予想していた作品とは異なる作品が

大賞を受賞しました拍手


大賞を獲ると、途端に図書館の予約人数が

膨れ上がるので、今年は先んじて

読んでおいた本があります


結果は5位と、非常に残念タラーでしたが

私は好きな作品だったので


今日はその読書感想文を

綴っておこうと思います



本日の読書感想文




月の立つ林で

青山美智子


あらすじ 


長年勤めた病院を辞めた元看護師

売れないながらも夢を諦めきれない芸人


娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える

二輪自動車整備士


親から離れて早く自立したいと願う

女子高生


仕事が順調になるにつれ、家族との

バランスに悩むアクセサリー作家


それぞれがメインの短編が5篇


しかし、その5人のつまづいてばかりの

日常の中で、共通して耳にしていたのは

タケトリ・オキナという男性のポッドキャスト

「ツキない話」だった


月に関する語りに心を寄せながら

彼ら自身の想いも満ち欠けを繰り返し


やがて、新しくかけがえのない毎日を

紡いでいくー


最後に仕掛けられた驚きの事実と

読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ



グッときたポイント 


青山美智子さんのデビュー作

「木曜日にはココアを」に似ていて

とても優しいストーリーです


テーマは気づき…でしょうか


タケトリ・オキナの放送を聴いた

登場人物たちが


今まで見えなかったモノに気づき

人生を変えるきっかけを掴んでいきます


それは見えない誰かだったり

近すぎて見えなくなってる繋がり

だったり…


題名の「月の立つ林で」の意味も

タケトリ・オキナが語ってくれてます


旧暦では新月が1ヶ月の始まりと

されていました

月が始まる…月が立つ…つきたち

そこからついたちとなったそうです


新月を「月が立つ」という表現

すごく素敵だな、いいなぁって

僕は思います


その他、本文中には素敵な言葉が

散りばめられていました


竹は地中で繋がっていて

竹林が一本の樹みたいなものなんです


自分が誰かを助けたことに気づかないまま

日々が通り過ぎていく…


新月は見えないけれどちゃんとある


夢を叶えなかったらだめなのかな

夢を持っているってことそのものが

人を輝かせるんじゃないかな


当たり前のように与えられ続けている

優しさや愛情は、よっぽど気をつけていないと

無味無臭だと思うようになってしまう


それらの言葉に私自身もハッ!となり

あ〜そうだった…と勇気をもらい

心が温かくなりました


こんな人におすすめ 


私も時間に追われる日常の中で

当たり前のように与え続けられている

優しさや愛情が見えなくなっている

ことがあると反省アセアセ


身近な人をこそ、しっかり気をつけて

その優しさ、愛情を感じ感謝したい


YouTubeもこのブログも

私は好き勝手なことを発信してます


ほんのチョットだけ

誰かのお役に立てたら嬉しいという

気持ちはある…でも


こんなことしてて何になるんだろう?

時々マイナスに考える時もあります


でもでも、気づかないけど、見えないけど

きっと誰かの役に立ってるんですよね


年をとっても夢を持っているだけで

輝き続けることはできるんですよね


この作品は、ままならない毎日の中で

心が折れそうになっている時に

優しく元気づけてくれる作品だと思います