甲子園ボウル2017 日本大学 x 関西学院大学③(や) | アメフト観戦女子(関西)のブログ

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平成29(2017)年12月17日(日)、甲子園球場にて行われました第72回甲子園ボウル(全日本大学アメリカンフットボール選手権 決勝戦) 2017 日本大学(東日本代表・関東1位)関西学院大学(西日本代表・関西2位)の試合レポの続きです。

 

3Q残り2:45 日本大学 23-10 関西学院大学
日本大学、フィールドゴール成功でリードを13点差まで広げます…!
しかし、そこは相手がアジャストの得意な関西学院大学、(タッチダウン+キック成功)×2で逆転できる点差。

まだまだセーフティーリードとは言えません。

 

<第3Q途中から>
日本大学、4番K篠原歩夢選手(4年生・長崎日本大学高校出身)のキックオフで試合再開。


関学、84番Re前田耕作選手(4回生・関西学院高等部アメフト部出身)がナイスリターンし、自陣34YDより。
2ndダウン9、84番WR前田耕作選手のスウィーププレイで約25ヤードのロングゲイン!敵陣39YDへ。
このプレイは今シーズン1回目の立命館大学戦でもロングゲインしていましたね。
続く1stダウン、18番QB西野航輝選手(3回生・箕面自由学園高校アメフト部出身)のキープで1stダウン更新。敵陣27ヤード付近へ。


さらに続く1stダウン、18番QB西野選手のスクランブルで約20ヤードのロングゲイン!
追撃モードの関西学院オフェンス、たったの2分強で、あっというまにゴール前6ヤード付近へびっくり

 

第3Q終了、日本大学 23-10 関西学院大学

 

<第4Q>
関学、2ndダウン、ゴール前4YDより。

3rdダウン2ゴール、スナップを受けた34番RB山口祐介選手(3回生・県立横浜栄高校出身)のダイブプレイでTouchdown! 
8番K安藤亘祐(こうすけ)選手(2回生・関西学院高等部アメフト部出身)のTFPキックも成功。
4Q残り14:23、日本大学 23-17 関西学院大学
関西学院、久しぶりのスコアで、タッチダウン+キック成功で逆転できる6点差まで迫ります!


関学のキックオフはサイドライン割りに。
日大、自陣35YDからの攻撃を選択。
10番QB林大希選手(1年生・府立大正高校アメフト部出身)→5番RBウィリアムス デレク アキラ選手(3年生・ベイショア高校出身)のパス成功、10番QB林大希選手のランで、1stダウン更新×2。敵陣38ヤード付近へ。
関西学院の98番DL柴田啓汰選手(4回生・関西学院高等部アメフト部出身)のナイスタックルなどもあり、続けてはダウン更新できずも、4thダウン、9番P楠井涼選手(3年生・大阪学芸高校アメフト部出身)がまたしてもナイスパント!


大阪学芸高校時代もパンター兼任だった楠井選手、大学でもパンターとして活躍してるんですね。


関学、自陣2ヤード(!)付近から。
3rdダウン7、この厳しいフィールドポジションからの勝負は難しいとの判断か、QBの18番西野選手が攻撃権を手放す3rdダウンパント!
 

当然、日大はリターンできずも、自陣44ヤード付近からのオフェンスに。

1stダウン、10番QB林大希選手のキープで約25ヤードのロングゲイン!敵陣30YDへ。
しかし、このプレイでQB林選手が負傷退場…ガーン

QBは2年生の14番室井正道選手(大阪産業大学附属高校アメフト部出身)に。
この時、日大スタンドからは「室井コール」が!
3rdダウン8で10番QB林大希選手が戻りましたが、関西学院大学の3番DB小椋拓海選手(4回生・箕面自由学園高校アメフト部出身)らのロスタックルで1stダウン更新できず。


ここで日大は4thダウンギャンブルを選択!

…と見せかけて、QBの林大希選手がパント。
日大、QB林選手のギャンブルフェイクパントで、関西学院を自陣1ヤード(!)付近まで押し込めます。
試合残り6分半
府立大正高校3年生時は、人数不足でQB/LB/K/P/Retと、1人何役もこなしていた林選手、パントもお手の物です。
(ちなみに、LBとしても、プリンスボウル(春の関西高校大会終了後に行われる府県対抗オールスター形式のボウルゲーム)で2年連続大阪高校選抜先発に選ばれるほどの腕前でした。)

ここで日大は、時間を消費しつつ追加点を取って1タッチダウン+TFPでは逆転されない9点差以上とするよりも、安全に関西学院を自陣深くまで押し込めることを選択しました。
ディフェンスに自信がないとできない選択ですが、それよりも負傷退場したQB林選手に無理をさせたくない、休ませたいという意図もあったのかもしれません。
試合残り時間は6分半とまだまだ時間があるなかで、この選択が吉と出るか凶とでるか…ショボーン


ふいに攻撃権が戻ってきた関西学院、自陣1ヤード付近からとはいえ、6分半もあればタッチダウンを取り、キックを成功させるのは不可能なことではありません。
昨シーズン(2016年)の2回目の立命館大学戦でも同じようなシチュエーションがあり、この時は時間をたっぷり使ってロングドライブをタッチダウンで完遂し、追いすがる立命館大学に引導を渡して勝ち切っています。
むしろ、こういった場面は関西学院大学にとっては得意なような気がして、早々に攻撃権を渡した日大の選択に不安が募るばかりでした…。


関西学院大学、3rdダウン1、34番RB山口選手のセカンドエフォートのランで約30ヤードのロングゲイン!自陣40ヤード付近へ。
ちなみに、関西学院オフェンスは、シーズン終盤にRB2枚看板のうち4回生の28番高松祥生(よしき)選手(箕面自由学園高校アメフト部出身)をケガで欠き、RBとしては山口選手にボールが集まりました。
続く1stダウン、この試合を通してしばしば見られた関西学院らしからぬフォルススタートがまたあったものの、日本大学にレイトヒットの反則があり、1stダウン更新。フィールド中央付近へ。

試合残り5分

QBを10番光藤航哉選手(3回生・同志社国際高校アメフト部出身)にし、3rdダウン2、34番RB山口選手のランで1stダウン更新。敵陣40YDへ。

日大の9番LB楠井選手のロスタックルなどもあり、続けては1stダウン更新できず、敵陣35ヤード付近で4thダウン5に。
6点差を逆転勝利するためにはフィールドゴールの3点では足りず、どうしてもタッチダウンがほしい=どうしても5ヤード以上をゲインし4thダウンギャンブルを成功させなくてはならない関西学院大学、ここでタイムアウト後半1回目を取得。
試合残り1:53

 

関西学院大学の4thダウンギャンブルのパスは、日本大学91番DL宮川泰介選手(2年生・日本大学豊山高校出身)にカットされ、それを日本大学の9番LB楠井選手がインターセプト!!
ここで関西学院大学、逆転するための攻撃権を失い、攻守交代です!
LB楠井選手がビックリターンしたこともあり、日本大学の敵陣27ヤード付近からのオフェンスに!
試合残り1:42
 

冷静に考えれば、ここでディフェンスが日本大学オフェンスを3&アウトに抑え、タイムアウト残り2回を使って時間が流れないようにすれば、自陣からとはいえ関西学院大学に再びオフェンスが回ってくる可能性は十分あったのですが。
ここで1塁側の関西学院サイドのスタンドからは、どっと帰る観客が出始めました…。
(関学を応援しに来た私の知り合いも、このインセプで帰ったと言っていました。)
そのくらいこのプレイは、関西学院を応援する人たちの心を折る、実質チェックメイトとなったプレイでした…。


日大の2ndダウン、関学はタイムアウト後半2回目を取得しますが、

39番RB宗旻宰選手(1年生・日本大学豊山高校アメフト部出身)のナイスゲインで1stダウン更新。敵陣10ヤード付近へ。
時計もまわり、この1stダウン更新が本当のチェックメイトとなりました。
関西学院、ラストタイムアウトを取得しますが、日本大学はランプレイとニーダウンで時計を進め、ついにタイムアップ。

 

試合終了、日本大学 23-17 関西学院大学

日本大学、27年ぶりの甲子園ボウル優勝です!

 

個人表彰は、日本大学の10番QB林大希選手が、1年生として史上初の年間最優秀選手賞(チャック・ミルズ杯)を受賞!

しかも、こちらも1年生としては史上初の甲子園ボウル最優秀選手賞も受賞となりました。

高校時代のQB林大希選手の持ち味は、強肩と足の速さでした。
この日久しぶりにQB林選手のプレイを観ましたが、これに加え、判断の速さと的確さが格段によくなったと感じました。

立命館大学パンサーズファンとしては、パンサーズOBの長谷川昌泳コーチの指導の賜物なのかなと嬉しく思いました。

 

QB林大希選手は、日本大学の大阪高校出身の選手の中でも、私が特に思い入れのある選手で、過去のブログでもそのことを書かせていただきました。

(参考・過去ブログ)日本大学の1年生QB・林大希選手について(や)

高校時代はさほど注目されず苦労してきた林選手が、1年生で日大の伝統のエースQBナンバーを背負い、関東学生リーグを制して甲子園ボウルで関西に凱旋、日本大学を27年ぶりの学生日本一に導き、史上初の1年生でのミルズ杯受賞とは…。

こんなマンガみたいなシンデレラストーリーが現実となるなんて…。

彼の高校生フットボーラー時代を観てきた私としては、いまだにふと「あれ?これって、夢…?…現実なのかな??」と思います。

是非、どなたかにマンガ化してほしいくらいです(笑)

 

どこかの記事でも書かれていましたが、彼は少年マンガの主人公のように、人や運命を引き寄せる不思議な力があるような気がします。

関西大学第一高校から府立大正高校に転校して挫折を味わっていなかったらここまでの選手にならなかったと思いますし、ニューイヤーボウルで長谷川コーチに見いだされて日本大学に進学したのも、彼が引き寄せた運命のような気がして…。

そして、私もまた、その引き寄せられた1人なんだと思います。

余計な詮索に繋がる可能性があるので、特集記事を書く時に府立大正高校に転校する前の関大一高時代のことを書いていいものか承諾を得ているのですが、「関大一高があっての(今の)自分なんで」と返事をくれたことに、彼の人としての成長を感じました。

仲間やライバル選手のいいところは認め、前向きに明るく、腐らずに努力を継続する。

私もカレッジスポーツ(アメフトではないです)の端くれを体験してきたのでわかりますが、これって多感な10代の学生にとっては、簡単そうですごく難しいことなんですよね。

 

甲子園ボウル敢闘賞は、関西学院大学3年生の18番QB西野航輝選手が選ばれました。

 

私が勝手に甲子園ボウル恒例としている私からの特別賞は、日本大学3年生の9番LB/P楠井涼選手です。

関西学院大学の最後の反撃を断ち切るインターセプトの他にも、ナイスタックル連発でした。

特に、関西学院オフェンスを自陣深くに何度も押し込めるナイスパントは、日本大学優勝に一番貢献したプレイかもしれません。 

チャック・ミルズ杯はQB林選手で文句なしとして、甲子園ボウル最優秀選手賞は楠井選手にあげてほしかったです(笑)!

大阪学芸高校時代にすごく大好きな選手で、この年の秋引退選手で「一番立命館大学に来てほしい選手(立命系列校の高校生は当然来てくれるものとして除く)」だったので、久しぶりに楠井選手の熱いプレイをたくさん見れて嬉しかったです。

4年前の秋の大阪大会で優勝した時の大阪学芸高校の快進撃を思い起こし、懐かしく思いました。

 

さて、学生日本一になった彼らが次に向かうは、1月3日(日)に東京ドームにて行われるライスボウル(アメリカンフットボール日本選手権)。

対戦相手は、社会人王者・富士通フロンティアーズです。

キックオフ時間は15時と、いつの間にか遅めになっているんですね。

甲子園ボウル以上に厳しい戦いになるとは思いますが、現地に行けない方にはNHK-BS1(ライブ中継)もありますので、彼らがさらに目指すその先を見届けてください。

 

おわり。