徐寧は、「鍛冶屋」という言葉が気になった。
かれの従弟の湯隆は、鍛冶を生業にして
世間を流れ歩いていたからだ。
店員たちが話している事件と、
湯隆がなにか関係しているのかもしれない。
なにしろ義侠心のある男だから。
そう思った徐寧は、注意して聞き耳を立てたが、
かれらは別の話を始めてしまい、
それ以上のことはわからなかった。
次の日、徐寧は急いで朝食をすませると、街へ出かけた。
大通りに沿って足の向くまま東へ進み、
城の東門を抜けると、一軒の寺院の前に出た。
徐寧が寺の扉を押しあけて中に入ると、
中庭の落ち葉を掃いていた老道士が
愛想よく声をかけてきた。
「お前さまは旅のお方のようじゃが、何か御用がおありですかな」
一軒の寺にたどり着いた徐寧。
ここで、湯隆についての新しい情報は手に入るのか?
この続きは、また次回で。