ゲーム紹介:TEARDOWN | 真っ直ぐ行かずジグザグと

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ZigZagです。

本日ご紹介するゲームはこちら。



TEARDOWN


あらゆる物を破壊出来るサンドボックスゲーム。
こちらのゲームの紹介&感想を書いていきます。

概要


Tuxedo Labs開発、同社及びセイバーインタラクティブから発売されたサンドボックスパズルゲーム。

初リリースは2022年4月21日。PS5版は2023年11月15日。


ストーリー


主人公は自身の店を構える解体業者だが、公共料金の支払いも出来なくなってしまうほどの経営難に陥っていた。

そんなある日、怪しい人物から久しぶりに仕事が舞い込んだ。背に腹は変えられぬと仕事を完遂するが、そこから徐々に仕事内容がキナ臭くなっていき……(キャンペーンモード)


特徴


  システム


 ◾全モード共通

ステージの全てはボクセルで構成されており、プレイヤーの武器アクションやガスボンベの爆発、車両の衝突等で破壊されていく。

各オブジェクトには強度があり、設定された強度以下の威力の攻撃では破壊出来ないようになっている。

  • 破壊したオブジェクトはリトライしない限り元には戻らない。そのため、一部モードでは闇雲に破壊していくとクリアが困難になる場合があるので注意が必要。
  • ある程度のサイズのオブジェクトならば持ち運びが可能。投げ飛ばすことも出来るので、衝撃で爆発するガズボンベ等を使う際に活用出来る。
  • 配置された車両には自由に乗り降り可能。一部車両は運転以外の機能を保有していることがあり、その際は操作説明が右下辺りに表示される。
  • 爆発系統の武器やボンベを利用すると、周囲に火災が発生する。火に巻かれたボクセルは焼失し、可燃性のオブジェクトは誘爆する上に、火に接触すると継続ダメージを受けてしまう。火は消火器で消すことが出来る。


 ◾キャンペーンモード

営業不振な解体業者の長となり、様々なクライアントの仕事を引き受け、自身の店を立て直していくモード。デフォルト設定では異様に難易度が高いものの、オプションにて各種設定を調整出来る。

  • 解体業としてのターゲットの破壊系の仕事の他、指定された品物を奪取するミッションもある。寧ろそっちの方が多い。解体業者とは……
  • プレイヤーには体力が設定されており、高所からの落下、爆破に巻き込まれる、敵に撃たれる等で減少、ゼロになるとミッション失敗となる。体力は時間経過で回復する。
  • ミッション自体には一部を除いて制限時間は設けられていないが、一部ミッションでは品物にワイヤーアラームが接続、またはそれに準ずるアラームが設定されており、ターゲットの1つにアクションを起こすと60秒の制限時間が発生、時間がゼロになると警備のヘリに見つかり失敗となる。
  • 逆を言えば「回収しない限り制限時間は発生しない」ので、当モードでは如何に最短距離となる道を切り開く『ルート開拓』と、無駄なく行動する『作戦』『キャラクターコントロール』が重要となる。
  • 使用できる武器は、ミッションクリア時のスコアに応じて増加していく。また、ステージ内には「貴重品」が落ちており、入手するとお金が貰える。こちらは各武器の強化に用いる。
  • 武器の他、ステージ内に配置されたガスボンベや車両を用いることも自由。特にクレーン車やフォークリフト等の特殊車両はミッション攻略に使えることが多い。
  • ミッション中は制限時間が発動していない状況ならばいつでもクイックセーブが可能。その時点までの進行を保存でき、クイックロードでやり直しが出来る。
  • オプション画面にて、全武器の開放、武器レベルを最大にするだけでなく、制限時間、体力の増減等を設定可能。難易度が高いと思った時にいつでも利用出来る。


 ◾サンドボックスモード

各ステージを自由に歩き回る&破壊出来るモード。ステージや武器は、キャンペーンモードを攻略していくことで順次解放されていく。

オプションで予め全武器解放することも出来る。

クリエイティブモードも搭載されており、いつでも移行可能。自分で好きなようにピクセルを配置出来る。

  • 武器の弾薬は無限なため、好きなだけぶっ放して破壊の限りを尽くせる。ただしダメージは通常通り受け、体力がなくなると初期スポーン地点に戻される。
  • クリエイティブモードでは好みの材質、色のボクセルを配置でき、プレイヤーオリジナルの建造物を構築出来る。もちろん破壊することも可能。

 ◾チャレンジモード
各ステージを舞台に、課せられた条件の中でどれだけ目標を達成出来るか挑戦するモード。こちらもキャンペーンモードの進行状況でステージやその他の要素が解放されていく。
内容は『フェッチ』『サバイバル』『メイヘム』の3種類。
全ての内容にランクが設定されており、クリア時のスコアによってランクが変動する。最大ランクは星5。
  • フェッチは制限時間内に出来るだけ多くのターゲットを回収、脱出用の車に乗り込む。制限時間はキャンペーン同様60秒。
  • サバイバルは上空を飛ぶ警備ヘリを躱しつつ、ランダムに配置されたターゲットを回収していく。ターゲットは1つずつステージに配置され、回収すると次のターゲットが現れる。
  • メイヘムは60秒以内に出来るだけ多くのものを破壊する。1000ボクセルを破壊すると制限時間のタイマーがスタートするので、それまでに効率の良い破壊計画を立てる必要がある。


 ◾エキスパンション

アップデートにて追加されたキャンペーンモード。

従来のキャンペーンとは異なるミッションをプレイ出来る。



 ◾MODブラウザ

公式が用意した改造データ。

本編には登場しない車両やアイテムを出す、車両にブースト機能をつけるといったものや、オリジナルのステージや全車両の試乗、運転の練習、レースゲームまである。



感想


  良かった点


 ◾破壊重視のコンセプト

どのモードでも、ステージを構成する建造物や車両の殆どが破壊可能であり、他のゲームとは一味違った体験が出来る。

  • 破壊の手法も色々と用意されており、ハンマーによる殴打からトーチによる切断、果ては銃器、爆薬と壊す事に長けた代物が目白押し。他にも車両の体当たり、配置されたガスボンベの爆破等でも破壊出来るので、幅広い破壊活動を楽しめる。
  • キャンペーンモードでは自力で最適ルートを見つけるのだが、避けたり別ルートを探すのではなく、壁や床を破壊することで無理やり道を作り出していく。一部ミッションには制約があるものの、大抵は破壊に関してペナルティは一切ないため、それこそ進行ルートに立ち塞がる全てを更地にしてしまう芸当も許される。


 ◾プレイのしやすさ

キャンペーンモードはパズル要素のある高難易度な内容だが、それを踏まえてプレイをしやすい様に配慮されている。

  • クイックセーブのお陰で、やり直しは非常に楽。制限時間が発生していないかぎりいつでもセーブが可能なので、要所要所でしっかりセーブしておけば、リスタートの煩わしさを緩和出来る。
  • オプションにて「プレイヤーの体力」「制限時間の増減」「武器の開放、強化レベル最大」といった諸々の設定も変更可能。特にミッションの中には相当難しいものもあるたて、アクションやパズルが苦手な人への配慮もしっかり成されている。難し過ぎる場合は「ミッションスキップ」の項目もあるので、詰む心配もない。
  • とはいえ、この配慮は別の問題も表出させてしまっているが。

 ◾公式MODによる遊び
公式が用意している追加武器MODはどのモードでも使用可能なため、キャンペーンモードを違う形でクリアしていく楽しみがある。
  • 特に「そうじき」と「ゼニトカ(対空砲)」はゲームバランスがおかしくなるほど強力。そうじきの吸い込みはオブジェクトを吸引+保持でき、いつでも吐き出すことが出来るので、面倒な持ち運び系統のミッションを攻略するのに役に立つ。
  • ゼニトカは破壊力の高い弾を高レートで無限に発射可能。そのため破壊系統のミッションではこれを撃ってるだけで簡単に攻略出来てしまえる。
  • 他にもワイヤーアクションが出来るもの、空中を飛べるジェットパック等、普通のゲームプレイとは異なる楽しみ方が出来るものが揃っている。
  • 注意点としては、先述の通り一部MODは強力過ぎるあまり、キャンペーンモードをかなり簡単にしてしまう。一度普通にキャンペーンモードをクリアしてから行うのが望ましい。


  賛否点


 ◾救済措置による弊害

オプションで「武器全開放」「武器レベル最大」が可能になっているが、この救済措置によってキャンペーンモードの存在が薄れてしまっている。

  • 本来ならばキャンペーンモードを進めることで武器が増え、貴重品を探すことで武器のレベルが上げられる、いわゆる“育成要素”があった。しかしオプションでそれらを全て無視出来てしまうため、同モードの必要性と面白みが減少している。MODの存在も確かに面白いが、ゲームバランスを崩壊させてしまうという欠点がある。
  • 一応、このオプションやMODは任意なので、純粋にキャンペーンモードを楽しみたいなら触らなければ良いだけの話ではある。それに、武器を解放しようが難しいところはとことん難しいため、一概にこの救済措置を否定することは出来ない。
  • 難しいことは極力避け、破壊行為を重視して遊びたい人には良い調整とも言える。


 ◾物理演算がやや不自然

柱やパイプ等は、繋がっている部分が外れれば重力に従って落下するが、家屋は壁や柱が一部でも床と繋がっていると崩れない仕様。

  • そのため家屋を完全に倒壊させるには、床に接続された全ての壁や柱をくり抜く必要がある。破片等はリアルに飛び散っていくのに対し、例え重心が偏っていたとしても直立不動で建ち続ける家屋には些か違和感を覚えるとともに、「大きな建物が一挙に倒壊する」といったダイナミックな演出は拝めない。
  • もちろんこちらもゲームバランス等を考慮しての調整と思われるが、人よりも細い柱一本or壁一枚で建物全体を支えている光景はなかなかシュール。


  残念な点


 ◾キャンペーンモードの内容

キャンペーンモードの内容が、本作の特徴である破壊とあまり噛み合っていない上に、同じ様なミッションをプレイさせられるので、爽快感よりも作業感の方が強い。

  • 爽快感の喪失の最たる要因は『品物の奪取』ミッションだろう。ターゲットとなる品物の大半は制限時間有りのワイヤーアラーム付きなのだが、このワイヤーはプレイヤーが取得する以外にも、武器効果による衝撃や足場喪失による落下等で一定距離移動してしまうと自動で外れてしまう。そのためコンセプト通りの「自由な破壊活動」に勤しんでいると勝手にアラームが作動してしまうことが多い。
  • 挙げ句、その品物の配置も一筋縄では行かないようなものばかりであるので、常に効率的かつ最短ルートの構築と精密なキャラコントロールを強制されてしまい、より一層作業感を感じてしまう。
  • 対象オブジェクトを持ち運ぶミッションもひたすら面倒。持ち運んでいる最中は移動速度が落ちる上に、場合によっては長距離を移動する手間が発生してしまい、面白いのではなく面倒臭さの方が際立っている。車両を使うという手もあるが、後述する理由でそちらも微妙。
  • 一応、後半には変則的なミッションが増えるものの、総数を見ればその数は多いとは言えない。加えて前半部分は品物の回収が軒を連ねており、ミッションのバランスも悪い。
  • オプションやMODを導入すれば解消される部分が多いものの、それら手法はゲームを著しく簡単にしてしまう欠点がある。通常通りに面倒臭さを感じながらプレイするか、難易度を激減させて快適にプレイするか……。


 ◾トロフィー表記が不明瞭

トロフィーも日本語訳されているが、内容が分かりづらいか、そもそも間違えているものが多い。

  • 分かりづらい例として「チョッパーに撃たれることなく料理を皿に盛る」という『スイスチーズ』なるトロフィーがある。
  • これは「とあるステージで攻撃ヘリに撃たれることなくミッションをクリアする」というもの。どのステージなのかは説明がないうえに意味が分からない。
  • おそらくはスイスチーズの意味の1つ「穴だらけにする」ことと掛けたトロフィーなのかもしれないが、日本人には馴染みのない言葉であり、そもそも達成条件に必要なことが書いていないのは不親切極まりない。
  • 他にもクリア条件のステージ名が間違っている項目もあり、日本語訳の杜撰さが随所に出ている。


 ◾車両の仕様

全体的に車両の性能が低く、活用し辛い。

特に足回りが悲惨。速度が乗っているときは問題ないが、少しでも速度を緩めた途端、僅かな凹凸にすら引っかかる。そのうえ馬力も乏しいので、一度スタックすると自力で抜け出すことが困難になってしまう。

  • 窪みに嵌るのは当たり前、車両が蹴散らした破片にも容易く足を取られ、無情にもタイヤが空転……ということも普通にある。なので「車のパワーで障害物をなぎ倒して進む」ということは作戦としては微妙。寧ろ、なぎ倒した反動で自車が横転することが多発する。倒れたが最後、自力の復帰は無理。
  • キャンペーンは大抵が時間制限付きということもあり、車両運搬系統のミッションは当然のこと、車両を足掛かりにする際もスタックが起きれば大幅なタイムロスは必至。車両の独特の挙動も相まって、苛立ちを覚えてしまう。
  • 唯一物を持ち上げられるクレーン車も、クレーン部分の耐久性が他の物と大差ないため簡単に折れてしまい、使い物にならなくなる。



まとめ 


破壊に焦点を置いた作品。

コンセプト通り、殆どの建物やオブジェクトを破壊可能であるため、自分の好きなように破壊活動出来る爽快感は抜群。

銃撃で弾け飛ぶ扉、爆発で吹き飛ぶ床、車両の突進で崩れ去る壁……。

武器の解放やレベル上げはキャンペーンモードでしか行えませんが、そちらもオプションを活用すれば始めた時から全部使えます。

キャンペーンは難易度高めながら、そちらもオプションで難易度緩和が出来るので、ライトユーザーにも優しい作りになっています。

更に公式のMODを入れれば普段とは異なる遊びが出来るのもGOOD。


反面、そのオプションによってキャンペーンモードの価値が目減りしてしまっている欠点があります。

挙げ句、同モードの内容もバラエティに富んでいるとは言えず、作業感を強く感じてしまう作り。

せっかく「破壊」という魅力的なコンセプトを掲げておきながら、キャンペーンモードでは如何せんその魅力を活かしきれていません。

破壊活動に膨らみを齎すはずの車両関連も、あまりに脆弱であるため活用し辛いです。クレーン車使ってる時にクレーン部分がぽっきりいった時の悲しみときたら……。

トロフィーの和訳も間違いだらけなので、トロコンするのが違った意味で難しいのも残念です。



キャンペーンモードの調整不足は否めませんが、自身のアクションで建造物が崩壊していく様を目の当たりにするのは病みつきになります。

サンドボックスモードでは好きなように破壊が出来るので、そちらでストレス解消するのも良いですね。



 ◾こんな人にオススメ

・ぶっ壊すことが好きな人

・難し目のゲームに挑戦したい人


 ◾こんな人には合わないかも

・面倒臭いことが嫌な人

・トロコンを目指す人



それでは本日はこのへんで。


おしまい。