令和6年4月歌舞伎座昼の部 夏祭浪花鑑 | 癸の歌舞伎ブログ

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令和64月歌舞伎座昼の部 夏祭浪花鑑

 

夏祭浪花鑑 ナツマツリナニワカガミ

 

当ブログの過去記事より

夏祭浪花鑑 ナツマツリナニワカガミ

並木千柳、三好松洛、竹田小出雲作。延享二年七月大坂竹本座初演。世話物として初めての九段構成。好評で翌月には京都万太夫座で歌舞伎に移され、十二月からは角、大西の二座競演。翌年五月には中の芝居でも上演された。しかし江戸での初演はほぼ三十年後の安永三年市村座であった。

 

今回配役は

片岡愛之助(団七九郎兵衛、徳兵衛女房お辰)、尾上菊之助(一寸徳兵衛)、中村米吉(お梶)、中村歌六(釣船三婦)ら。

愛之助は令和四年九月大阪松竹座で団七、お辰の二役を経験済みである。亡くなった十七世、十八世勘三郎もよくその二役を兼ねていた。猿翁も。ただ二役兼務のパターンはこれだけではなく、徳兵衛とお辰、徳兵衛と義平次、またなんと昭和三十七年八月道頓堀文楽座の河内屋のごとくお辰と義平次二役というのもある。団七とお辰では性根は同じであるが、お辰と義平次では性根がガラリと変わるので面白い。やれる人がいたらやってほしい。

住吉鳥居前

碇床の紋は二引き両に追っかけ五枚銀杏。歌六の三婦は西日を眩しがらない。桂三の堤藤内は入り際に扇子で西日を遮る真似はした。

釣船三婦内

三婦は歌六の芸能紋の蔓片喰の首抜き。義平次の出の下座はだんじり。団七が義平次を追う際おつぎを突き飛ばしてしまい、おつぎが痛がるので団七が行きつ戻りつするとき下座がだんじりのいけ殺しになる。

長町裏の殺しもだんじり。