平成30年10月国立劇場歌舞伎公演 平家女護島 | 癸の歌舞伎ブログ

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平成3010月国立劇場歌舞伎公演 平家女護島


平家女護島 ヘイケニョゴノシマ
近松門左衛門作。享保四年八月十二日大坂竹本座初演。全五段。構成は序段で重衡の南都焼討、東屋捕縛、清盛の横恋慕、東屋の拒否と自害。二段目、教経による赦免状改ざん、鬼界ヶ島いわゆる俊寛。三段目、重盛館重盛重病、常盤御前乱行の噂、弥平兵衛宗清に実否の詮索密命、朱雀御所常盤御前乱行に見せかけ源氏サポーターリクルート、笛竹こと牛若見顕し、宗清の自己犠牲。四段目、船路の道行、敷名の浦、清盛熱病。五段目、文覚の予知夢。
俊寛はやたらと上演されるが、序段清盛館は国立劇場開場間もない昭和四十二年四月に復活上演。敷名の浦は平成七年十月国立劇場で復活上演されて以来の上演である。
平家物語では俊寛だけ赦免されず、鬼界ヶ島に置き去りにされる(足摺)。その後有王が主人の俊寛になんとしても会うべく鬼界ヶ島へ渡る(有王)。対面して家族の消息を聞き、娘からの書簡を読むと俊寛は絶望して即身成仏(僧都死去)。
今回配役は
中村芝翫(平清盛、俊寛)、中村橋之助(能登守教経、丹左衛門尉基康)、片岡孝太郎(東屋)、坂東新悟(海女千鳥)、中村東蔵(後白河院)ら。
清盛館では重衡が東屋を連れてくるのではなく、越中次郎兵衛盛次が連れてくる。敷名の浦で千鳥は後白河院を助けたあと船頭と立ち回りになり海に落ちる。清盛に薙刀で掻き上げられぶった切られる。清盛が船上で高笑いしていると、東屋と千鳥の亡霊が現れ、清盛は引き抜いて火焔となりぶっ返してきめて幕。