司祭と画家に2013年10月19日京都シネマ銀幕で会った | 俺の命はウルトラ・アイ

司祭と画家に2013年10月19日京都シネマ銀幕で会った

 2013年10月19日京都シネマにおいて

エルマンノ・オルミ監督作品『楽園から

の旅人』とヴィクトル・エリセ監督作品

『マルメロの陽光』を鑑賞した。

 

 沢山の人々が来場した。

 

楽園からの旅人

『楽園からの旅人』

il villaggio di cartone

映画 トーキー 87分 カラー

2011年 イタリア公開

2013年8月17日 日本岩波ホールにて公開

 

マルメロの陽光

 老司祭は五十年間人々が集うてきた教会

の取り壊し作業に心を痛める。潰され解体

しようとしている教会建物に、不法移民達

が住居を求めてやってきた。

 アフリカからやってきた人びとであった。

移民女性の妊娠に司祭は、キリストの誕生

を想起し祈りを捧げた。

 

 この映画の大事なところは、「司祭が苦

しむ移民を助けた」ということよりも「移民

達の教会での暮らしに司祭が改めてキリスト

教を学んだ」ことにあると見ている。

 

 「全ての人に教会は開かれている」という

主人公司祭の言葉をマイケル・ロンズデールが

重く深い話法で語った。

 

 エルマンノ・オルミ

 映画監督・脚本家・映画プロデューサー・

  撮影監督。 

 

 

  1931年7月24日イタリアロンバルディー州ベル

 ガモ県生まれ。

  1959年第一回監督作品『時は止まりぬ』 

   Il tempo si è  fermato を発表。

 1961年監督作品『定職』 Il postoを発表。

 1963年監督作品『婚約者たち』 Ifidanzatiを発表。

 1965年監督作品『人、来たれり』 E venneun uomo

 を発表。


 1967年監督作品『若き恋物語』 Raconti di giovani

 amori を発表。

 1969年監督作品『ある日』 Un certo giornoを発表。

 1970年監督作品『回収者たち』 I recuperantiを発表。

 1971年監督作品『夏の間』 Durante l’estateを発表。

 1974年監督作品『状況』 La cirecostanzaを発表。

 

 1978年5月 カンヌ国際映画祭にて監督作品

       『木靴の樹』が公開される。

 

 1983年監督作品『歩け歩け』Camminacamminaを発表。


 1987年監督作品『偽りの晩餐』 Lunga vita alla

signoraを発表。

 

 1988年監督作品『聖なる酔っぱらいの伝説』

 La legendadel santo bevitoreを発表。

 

 1993年監督作品『ボスコ・ベッキオの秘密』 

Il segretodel bosco vechio を発表.

 

 

 1994年監督作品『創世記 天地創造と大洪水』 Gensi:

La creazione e il diluvioを発表。

 

  2001年監督作品『ジョヴァンニ』 Il mestiere delle

armiを発表。

 

 

 2003年監督作品『屏風の陰で歌いながら』 Cantando

dietro i paraventiを発表。

 

 2005年監督作品『明日へのチケット』Ticketsを発表。

 

  2007年3月30日監督作品『ポー川のひかり』Cento

Choidiが公開さる。

 

 2011年監督作品『楽園からの旅人』il villaggio di

cartoneを発表。

 

 2014年11月16日監督作品『緑はよみがえる』

が公開さる。

 

 2018年5月7日 死去。86歳。

 

 

  典礼儀式や金色に輝く祭壇としての教会ではな

  く、困窮した人々、見捨てられた人々を保護し、

  心の支えとなる「神の家」としての教会だ。

  そのような人々こそ「神の御堂」の真の装飾な

  のである。

  そして、老司祭も生きがいとして、愛徳と友愛

  への新たな道を見出す。

  (『楽園からの旅人』パンフレット 6頁

   エルマンノ・オルミ稿『再生が始まる』

   2013年8月17日発行 岩波ホール)

 

 エルマンノ・オルミは神の家において神の御堂の装

飾の人々を確かめ再生が始まる物語を撮ったことを確

かめている。

 

  現代の私たちは、核を手にした上に、遺伝学によ

  って、この「命の木」にも手をのばしています。

  いったい何をしようとしているのでしょうか。

  (『楽園からの旅人』パンフレット 7頁

   エルマンノ・オルミインタビュー

   2013年8月17日発行 岩波ホール)

 

 エデンの園の「命の木」にまで人間の手が伸びつつ

ある。

 核兵器による破壊にオルミは心を痛めた。

 

 

 

 『緑はよみがえる』Torneranno i Pratiは2016

年4月23日に日本で公開されたが、エルマンノ・

オルミはメッセージで二度原子爆弾を受けた日本

を「どの国よりも苦痛を味わった国」と確かめ、

命の尊さと平和への道を「日本に教えて頂きたい」

と語った。

 

 

 

 

『マルメロの陽光』

El sol del membrillo

映画 トーキー 139分 カラー

 

1992年10月1日 アメリカ合衆国

        ニューヨーク映画祭上映

平成五年(1993年)四月十日 日本封切

 

平成十六年(2004年)八月二十六日

日本イタリア会館京都校にて初鑑賞

 

 

 

 アントニオ・ロペス・ガルシアが1990

年マドリッドのアトリエにおいて太陽の光

を浴びるマルメロの木を描こうとする。

 ヴィクトル・エリセ Víctor Erice Aras

(ヴィクトル・エリセ・アラス)は1940年

6月30日にスペインに誕生した。現在83歳で

ある。

 

 一枚の絵が描かれるまでの道の厳しさに震

えた。

 

 故エルマンノ・オルミ監督がヴィクトル・エ

リセ監督をどのようにご覧になっていたかはわ

からない。

 

 ヴィクトル・エリセ監督が9歳年上のエルマン

ノ・オルミ監督をどのように見ているかもわから

ない。

 

 お二人が世界映画の歴史においてそれぞれに命

への敬意をフィルムにおいて尋ねたことは確かと

思われる。

 

 リンク先において述べたように2013年10月19日

京都シネマにおいては新聞紙を床に敷いて鑑賞され

る方もいた。

 

 オルミ映画・エリセ映画を同じ日に見聞し緊張・

興奮した。

 

 今月シネマ神戸と塚口サンサン劇場で『木靴の樹』

と『ミツバチのささやき』が上映される。

 2024年5月4日のシネマ神戸です。

 1975年の塚口映画館です。

 

 

 

 兵庫県においてエルマンノ・オルミ活動大写真と

ヴィクトル・エリセ活動大写真が同時期に二館で上

映される。

 今、緊張しています。

 

 エルマンノ・オルミ師が教えて下さった平和

祈念に学びます。

 

 

                  合掌