実相寺昭雄監督 八十七回目の御誕生日 | 俺の命はウルトラ・アイ

実相寺昭雄監督 八十七回目の御誕生日

実相寺昭雄(じっそうじ・あきお)
実相寺昭雄

昭和十二年(1937年)三月二十九日誕生。

平成十八年(2006年)十一月二十九日死去。

六十九歳。

映画監督・脚本家。

 

 『ウルトラセブン』では第八話「狙われた街」・

第十二話「遊星より愛をこめて」・第四十三話

「第四惑星の悪夢」・第四十五話「円盤が来た」

の四本を演出しました。

卓袱台2

ウルトラセブン 狙われた街(一)

7 メトロン2

ウルトラセブン 狙われた街(二)

 

ウルトラセブン 狙われた街(三)

 

ウルトラセブン 第四惑星の悪夢

ウルトラセブン 円盤が来た

 

 

 

 

『ウルトラセブン』「遊星より愛をこめて」


テレビドラマ  30分 トーキー カラー
放映日 昭和四十二年(1967年)十二月十七日

製作国 日本

製作言語 日本語

放送局 TBS系

 

監修 円谷英二    

 

プロデューサー  末安昌美

脚本        佐々木守

 

撮影         永井仙吉

美術         成田亨

            岩崎致躬

照明         新井盛       

音楽         冬木透

 

録音         松本好正

効果         知久長五郎

編集         柳川義博

助監督        山本正孝

製作主任      高山篤

製作担当者     塚原正弘

 

特殊技術

撮影          鈴木清

美術          池谷仙克

操演          平鍋功

照明          小林哲也

光学撮影       中野稔

助監督         円谷粲

制作主任       熊谷健

 

東京現像所 

キヌタラボラトリー

TBS映画社


出演

 

中山昭二(キリヤマ隊長)

 

森次浩司(モロボシ・ダン)
菱見百合子(友里アンヌ)

 

石井伊吉(フルハシ・シゲル)  

阿知波信介(ソガ)
古谷敏(アマギ) 

   

三浦威

奥村公延(スペル星人人間体)

高橋征郎

中原成男

日下部聖悦

中村晴吉

谷津功(スペル星人 声の出演)

 

桜井浩子(早苗)

岩下浩(佐竹)

福田善之(福田博士)

 

上西弘次(ウルトラセブン スーツアクター)

浦野光(ナレーター)

 

特殊技術 大木淳


監督  実相寺昭雄

 

制作 円谷プロダクション

    TBS

 

森次浩司→森次晃嗣

 

菱見百合子→ひし美ゆり子

 

石井伊吉→毒蝮三太夫

 

 

 ウルトラホーク2号でアマギ・フルハシが宇宙

空間をパトロールし、放射能の多さに注意しま

す。

 

 キリヤマ隊長は地球の平和が第一とその

尊さを確認し、ダンが共鳴します。

 

 日本東京ではバレーボールをしていた女性

ヤマノが突然倒れこみ急死しました。原因は、

地球にない金属でできた腕時計によるものと

見られました。

 

  アンヌは高校時代の親友山辺早苗を尋ね

ます。早苗には弟伸一がいて、アンヌとも仲が良

い。アンヌは早苗と再会し、彼女の時計の輝き

に感嘆します。伸一は恋人が早苗にプレゼント

としてくれたことを語ります。

 

 地球防衛軍に戻ったアンヌは隊長が持ってい

る時計が、早苗が所持していたものと同じであ

ることに驚愕します。


 

 喫茶店で早苗は恋人佐竹三郎をアンヌに紹

介します。アンヌは佐竹に時計をどこで買った

のかを聞き、佐竹はヨーロッパで買ったと答え

ます。電話で早苗は伸一の学校に呼び出され

ます。姉の時計を借りた伸一は脳貧血を起こし

回復しますが、キリヤマは時計が怪しいと感じ

ます。

 

 公園でダンとアンヌは静かな光景に感激し、

宇宙全体の平和を祈念します。二人はデートし

ている佐竹と早苗を見張ります。佐竹は件の

時計をすり替えました。佐竹は早苗の腰に手を

軽く添えた後、帰路につきました。ダン・アンヌは

彼を追跡します。

 

 佐竹は百窓の中で仲間と語り合い、血液

採集について議論し、地球人の子供の血が

純度が高く、自分達にとって延命の液体にな

ると語ります。

 

 彼らの正体は宇宙人スペル星人でした。スペ

リウム爆弾の開発に失敗し、自分達の血液を放

射能に汚染されました。命を延ばす為に地球人

女性を吸血時計で殺害して血を吸っていたので

した。

 

 子供達を時計で関心を引いて集めたスペル

星人の野望を知った、ダンとフルハシは子供

達を制止します。

 

 スペル星人は正体を現し、地球人に仲間達

が大挙して押し寄せるぞとおどかします。



 アンヌは早苗に会い佐竹の居所を聞きま

す。伸一が佐竹と一緒に奥多摩樋川貯水池

にいることを聞いたアンヌ・ソガは早苗と共に

行きます。佐竹は伸一を誘拐しようとして

いました。ソガが狙撃し佐竹はスペル星人と

しての正体を明かして、早苗は悲嘆します。


 
 ダンはウルトラセブンに変身して、スペル星

人と戦いアイスラッガーで殺します。
 

 深く愛している佐竹が侵略者・殺人鬼・吸血

鬼であった事実に早苗は悲しんで落涙し時計を

捨てます。


 

 アンヌは、「夢だったのよ」と慰めますが、早

苗は、「いいえ、現実だったわ」と事実を確か

め、「あたし、忘れない、決して。地球人も他

の星の人も同じように信じ合える日が来るま

で。」と自身の気持ちを語ります。



 ダンは頷き夕陽を熟視します。

 

 そして、早苗・弟伸一・アンヌに対して、心の

中で呼びかけます。

 

   「そんな日は遠くない。だってM78星雲

    の人間である僕がこうして、君たちと

    いっしょに戦ってるじゃないか。」



 永遠不滅の大傑作です。

 

 佐々木守の精密・緻密な脚本。

 

 冬木透の優しく暖かい音楽。

 

 実相寺昭雄の美しいな演出。

 

 全て完全で繊細な芸術美を明かしています。

 

   桜井浩子の早苗は可憐で綺麗で母性愛

が暖かいです。

 

 岩下浩の佐竹は冷酷な二枚目の色悪の

魅力が輝いています。

 

 奥村公延のスペル星人人間体は迫力豊か

でした。

 

 主演男優森次浩司と主演女優菱見百合子

が、緑豊かな公園で宇宙の平和を祈り願い

合うシーンは、尊いです。これほど美しく清ら

かな映像は他にないと確信しています。

 

 これほど深く熱く平和の有難さを教えてくれ

るシーンも他にないと思います。

 

四十六歳 絵本

 昭和四十五年(1970年)八月十五日発行

講談社刊『ウルトラマンとウルトラセブンの

怪獣えほん』にスペル星人の写真が百窓を

破壊するシーンで掲載されていました。

 

 昭和四十五年(1970年)十月十日に封印

事件が起こりました。

被爆者の怪獣マンガ 

 

 小学館の雑誌『小学二年生』のふろく「かいじ

ゅうけっせん」にスペル星人のカードの裏面に

  

  ひばく星人

 

 と別名が記載されていました。この雑誌を見た女

子中学生(当時)中島ゆかりが、
 
  この『ひばく』って

  原爆の被爆以外に考え
  られないよね?

 

 と父親の平和運動家中島竜美に尋ねました。

竜美は「原爆文献を読む会」の参加者です。

 スペル星人の体にケロイドのようなものが描

かれていることを悲嘆し小学館に強く抗議しま

した。

 

 同年十月十日『朝日新聞』が「被爆者の怪獣

マンガ」という記事を掲載しました。

  日本全国の被爆者団体が番組を制作・放送

した円谷プロに対して厳重に抗議しました。

 

 小学館は謝罪しました。
 

  円谷プロはこの月に

 

   今後一切スペル星人に

   関する資料の提供を控える

 

と番組を二度と再放送しないことや資料の公開を

止めることを決めました。

 この封印状態は今日迄ずっと続いています。



 平成十三年(2001年)年八月三日『朝日新

聞』において第十二話の「封印の理由」が記

事として発表されました。

 

 

 実相寺昭雄監督は、
 

   声高でなく叙情的に核兵器の怖さを描いた
   いい作品だと自負している。ヤミで取り引き
   されたり、変なうわさが出たりするのは心外
   だ。見てもらえればわかる

 

とドラマにおいて平和を熱く願ったことを語りまし

た。

 

 

 平成十七年(2005年)年光文社の『FLASH』

「890号」において脚本の佐々木守と中島竜

美の対談が具現しました。

 

 中島竜美は

 

    スペル星人が人型なことと、ケロイドの形状

    が引っかかる。当時は抗議しなかったが、『

    血を吸う』という言葉も気になる。被爆者の中

    には血の問題を遺伝と受け取る人もいるから

    だ。

    オリジナルで残さないと意味が無い。リア

    リティの問題は残るが封印は良くない。

 

 

と述べ、スペル星人のケロイドや「血を吸う」という台詞

の問題点を尋ねつつ、封印解除を希望する心を述べ

ました。

 

 佐々木守は
   

     私も実相寺もそうだが、作品のテーマは原

     爆実験がよくない、ということ。僕らの作っ

     た意図だけでも、察してもらえばよいのだが

 

とスタッフが核実験の残酷さを語ったことを確かめ

ました。

 

 

中島 佐々木

 ドラマを執筆した佐々木守と糾弾した

中島竜美が三十五年の時を越えて共に封

印解除を祈ってくれた。深く心を打たれ

ました。

 

 佐々木守は平成十八年(2006年)二月

二十四日に死去しました。

 同じ年の十一月二十九日に実相寺昭雄が

亡くなりました。

 

 最期迄『ウルトラセブン』「遊星より愛

をこめて」の封印解除を願っていました。

 

 中島竜美は平成二十年(2008年)一月十

一日に死去しました。

 

 佐々木守・実相寺昭雄・中島竜美の三者が

共に核兵器の無い地球と恒久の平和を願った。

 

 『ウルトラセブン』「遊星より愛をこめて」

が愛と平和を祈るドラマであることを確かめ合

った。

 

 番組五十歳誕生日の2017年12月17日、主演

女優ひし美ゆり子が、ツィッターで封印解除へ

の願いを書いてくれました。

 

 

  あと一時間で「ウルトラセブン」

  12話「遊星より愛をこめて」の

  放映50周年です!!

   実相寺昭雄・佐々木守さんを

  偲んで解禁をお祈りしましょう〜!!

 

 

 

 

 

 朝日新聞は「被爆者の怪獣マンガ」の中傷誹謗

を五十二年経った現在も一度も謝罪していません。

 当時の大手マスコミは、番組をしっかり視聴して

から糾弾問題を問い直すという基本姿勢を怠り

ました。

 

 被爆者を愚弄するイラストがあれば当然許され

ません。

 

 しかし、番組とは別の関連資料です。

 

 ドラマを視聴し、実相寺昭雄監督と佐々木守先

生を呼んで円谷プロ・TBSの主催で公開討論会を

設けるべきでした。

 

 国会においても言論・表現の自由の圧迫として

封印問題を取り上げ広く国民・定住外国人全員で

考察するべき課題です。

 

 私はスペル星人の人形を何とか得て、バンダイ

ソフビ版ウルトラセブンのバトルを撮影したいで

す。

 

 

 しかし、円谷プロダクションとTBSに迷惑をかけ

てしまう。

 

 動画サイトで様々なスペル星人篇を貼りたい

です。しかし、削除されるでしょう。

 

 

 

 幼稚園の時代、『ウルトラ怪獣絵本』において

スペル星人の写真を見たが、「この宇宙人の回

中々再放送で見れないな?」と疑問に思ってい

たのです。

 

 生徒時代に欠番問題を学びました。

 

 この問題の核心に番組の内容を確認せず、

「被爆者の怪獣マンガ」という誹謗記事を書い

て謝罪しないマスコミの傲慢さがあります。

 

 新聞記事の暴走を反省して欲しい。

 

 『ウルトラセブン』「遊星より愛をこめて」

が濡れ衣を着せられたことを明かしたい。

 

     

 『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛を

こめて」が放送され、DVD化・4K版映画館

上映が実現する日が来る事を祈っています。

 

 実相寺昭雄監督

 

 八十七歳お誕生日

 

 おめでとうございます

 

 

               文中一部敬称略

 

                   合掌

 

               南無阿弥陀仏

 

                   セブン