オーソン・ウェルズのフォルスタッフ 真夜中の鐘(七)  | 俺の命はウルトラ・アイ

オーソン・ウェルズのフォルスタッフ 真夜中の鐘(七) 

 『オーソン・ウェルズのフォルスタッフ』

 

FALSTAFF

(Chimes at Midnight)

 

FALSTAFF

 

Campanadas a medianoche

 

映画 116分  白黒

 

1966年5月8日カンヌ映画祭公開

1986年10月10日 日本公開

製作国 スペイン スイス

制作会社 インテルナショナール・フィルムズ・

       エスパニョール

       アルピネ


原作 ウィリアム・シェイクスピア

脚本  オーソン・ウェルズ

衣装   オーソン・ウェルズ

 

出演

 

オーソン・ウェルズ(サー・ジョン・フォルスタッフ)

キース・バクスター(ウェールズ公ヘンリー後に

            ヘンリー五世)

トニー・ベックリー(ネッド・ポインズ)

パトリック・ベッドフォード(バードルフ)

 

監督 オーソン・ウェルズ


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 ☆平成二十六年(2014年)九月二十六日

 

 PLANET+1で鑑賞☆


 

 放蕩三昧を繰り返すハル王子に父王ヘンリー

四世の怒りも強い。

 

 そこで怒られる前に俄か芝居をして練習をし

 

ようということになる。

 

 フォルスタッフがヘンリー四世役になって、缶

 

を王冠の代りに被る。

 

 フォルスタッフ演ずる王は、ハル王子を叱責す

 

るが、ただ一人太った男のフォルスタッフのみを

褒める。

 

 つまり他の人格を演じてもちゃっかり宣伝をする

 

のだ。

 

 ハルがヘンリー四世役、フォルスタッフがハル

 

王子役を勤める俄か芝居になる。

 

 キース・バクスターがジョン・ギールグッドの声色

 

をそっくりに語る。

 

 王が嘆けば、フォルスタッフ演ずるハルは笑い、

またしてもフォルスタッフを絶賛する。

 

 しかし、ハル王子演ずる王は、「追放するよ」と

 

明言する。

 

 この俄か芝居は、劇中劇の連鎖を見事に書いて

 

いったシェイクスピアの筆致が鮮やかに生きている。

 

 王やハルを演じても、自身を絶賛することはちゃ

 

っかり語るフォルスタッフ。その愛嬌はたまらない。

 

 しかし、ハルは何時の日か、将来フォルスタッフ

 

を追放すると芝居で述べる。

 

 ここは劇中劇の台詞か真意か難しいところだ。

 

 

 真意を台詞にこめたというところだろう。

 

 

 楽しい俄か芝居に、二人の永遠の別れを予感させ

 

る。

 

 既にシェイクスピアは喜劇の中に悲劇を予測させ

 

る作劇を見せている。

 

 

                            合掌