オーソン・ウェルズのフォルスタッフ(二)
『オーソン・ウェルズのフォルスタッフ
真夜中の鐘』
FALSTAFF
(Chimes at Midnight)
FALSTAFF
Campanadas a medianoche
映画 116分 白黒
1966年5月8日カンヌ映画祭公開
1986年10月10日 日本公開
製作国 スペイン スイス
出演
ジョン・ギールグッド(ヘンリー四世)
フェルナンド・レイ(ウスター)
ノーマン・ロドウェイ(ヘンリー・パーシー、
通称ホットスパー)
ホセ・ニートー(ノーサンバランド)
監督 オーソン・ウェルズ
王宮のシーンは石垣と共に窓から差す陽光も
綺麗で荘厳な映像を成立せしめている。
ジョン・ギールグッドのヘンリー四世は堂々として
いて朗々たる台詞回しで、王の言葉を語る。
風格の中に王位を奪い取り前王を殺害したことへ
の罪の心がこめられている。
傲慢なウスターの態度に王は怒りを爆発させる。
王 ウスター、さがれ、お前の目には危険な反
抗の色が見て取れる。
(松岡和子訳 『ヘンリー四世』)
ギールグッドの台詞は厳かで重厚である。
会議の場ではヘンリー四世の政権が安泰ではなく
反乱が起こりつつあることを読者観客に予測させる
ものとなっている。
(2016年5月21日・2016年10月10日に加筆しまし
た)
合掌