直木は先ず伐られ、甘井は先ず竭(つ)く | 日日是好日のブログ

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団塊世代、毎日が日曜日となり晴耕雨読の生活に入ったのを機に、学びは生涯現役でありたいと始めたもので、生活の一部を切り取っていきたい。

 直木は先ず伐られ、甘井は先ず竭(つ)く

「直木」は、まっすぐな木、いい材木になるので、まっ先に切り倒されてしまう。「甘井」はうまい水の出る井戸、たちまち汲み尽くされて涸れてしまう。人間も同様で、才能のある者ほど、早く使いつぶされてしまう。だから、なるべく目立たないよう、才能は包みかくしておくことだ、と荘子はいうのである。
 能力を認められて登用されたのはいいが、酷使につぐ酷使で充電する時間すら与えられない。これでは、よほどの人物でも、やがて枯れ井戸のようになってしまうだろう。使い捨てにされるのは物だけとは限らないことを、頭に入れておいたほうがいいようだ。(丹羽 隼兵著「中国古典の名言」より)