魚を嗜む故をもって受けず(史記) | 日日是好日のブログ

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団塊世代、毎日が日曜日となり晴耕雨読の生活に入ったのを機に、学びは生涯現役でありたいと始めたもので、生活の一部を切り取っていきたい。

魚を嗜む故をもって受けず(史記)

 魚が好物だからこそ受け取れない、と宰相の公儀休は、客が差し出した贈り物を押し返していう。「わたしはいつでも魚を食べられる身、もし受け取ってあらぬ疑いをかけられ、辞職を余儀なくされでもすれば、今後、好きな魚も食べられなくなるではありませんか」
 好物だからこそもらわない~人の好意から出た贈り物も、場合によってはワイロになりかねない、とはまさにそのとおりなのだが、コチコチの道徳論をふりかざしたりしないところがいい。おのれの欲望をも相対化し客観視できる達人の境地から生まれた処世論。しかるべき立場の者には大いに参考になるはず。(丹羽 隼兵著「中国古典の名言」より)