およそ人の患(うれい)は、一曲に蔽(おお)われて大理に闇(くら)きにあり『荀子』 | 日日是好日のブログ

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 およそ人の患(うれい)は、一曲に蔽(おお)われて大理に闇(くら)きにあり『荀子』

 人間が共通して持っている悩みは、ものごとの一部にまどわされて全体を把握するのがむずかしいことである、との意。われわれはなぜ心をまどわされるかというと、好悪の感情に左右されるからである。始終、遠近、広狭の一方にとらわれるからである。また、過去、現在の一方にとらわれるからである。どんなことでも、一面だけにとらわれると、心がまどわされて全体が見えなくなるのだ。このように荀子は解説している。
 人間は、とかく自分の望むほう、都合のいいほうに目が向きがちなもの、この性向を、克服するのは容易ではない。(丹羽 隼兵著「中国古典の名言」より)