衆これを悪むも必ず察し、衆これを好むも必ず察す『論語』
だれにも受けが悪い、そういう人物でも、自分の目で確かめてみる。だれにも受けがいい、そういう人物でも、これまた自分の目で確かめてみることだ、と孔子はいう。
とかくの噂があって敬遠していた相手と、いざつきあってみたら、案に相違してスケールの大きな人物であったとか、また逆にだれにも評判のいい人物が、底の浅い八方美人にすぎなかったとか、こんな経験をしたことはないだろうか。人物評価に関しては、多数の目が必ずしも、正確とは限らない。転職などで新しい組織に代わったさいには、とりわけ心にとめておくべきことばだ。(丹羽 隼兵著「中国古典の名言」より)