来週の今日は大晦日
そろそろ今年を振り返る時期となってきた
恒例の今年読んだ本はこんな感じ
年の後半から読書ペースが落ちてきた
月3冊がキープできていないのが少し悔しい
印象に残ったのは「赤松小三郎ともう一つの明治維新」
「人生を変える教養」「江戸の教育力」
赤松小三郎の本は、日本の民主主義は薩長主体の明治維新で実現された
とされているが、実は江戸幕府側に選挙を前提とした憲法構想なる
社会システムの提案があったことに驚く
そして明治維新は本当に良いものだったのか?
といった「そもそも論」まで振り返るきっかけとなった
本の中には吉田松陰の結構えげつないエピソードも紹介されている
「人生を変える教養」はフィンランドの高校の教科書を紹介したもの
北欧の国の教育は、「ちゃんとした大人を育てる」教育で
日本のそれは「従順な大人(労働者)を育てる教育」と言う言葉が
この本でも実感する
つまりは自分が気にしている「個の確立」がシステムとして育まれる
ようになっているのは日本社会は参考にすべきと思う
「江戸の教育力」は赤松小三郎の本の影響で手に取ったのだが
200年以上大きな戦いがなかった江戸時代は
明治維新で全否定されるほど悪いものだったのか?
との疑問が自ずと湧いてくる
江戸時代は実態は地方自治となっていて、教育は読み書き算盤や
論語などの精神教育もなされていて、それも庶民が求めたもので
なかなかの時代だったと思い知らされる
ハン・ガンとヨン・フォセの2つの小説は静かなトーンの内的な心象風景を
少ない言葉で、想像力を刺激する詩的な文体となっている
何もかも説明し尽くすのではなく、読み手の想像力を前提とした
こうした表現は個人的に好きな方だ
自分は併読するタイプではなく、一冊を最後まで読んで次に進むタイプだが
年の後半になってブレーキがかかったのは
読み返すべき本がいくつも気になったからで
現に今はこれらの本を付箋を付けた部分とか、ページを折った部分を読んでいる
これらのいつか読み返そうと記憶した本たちは、自分の経験が増えた分
その内容への理解が深まって、切実感をもって心に響く
そこでフトこれからの本の読み方は一冊終えてから次に進むのではなく
読んだ本をポイントを絞って読み返すとか
新しい本でも関心のある部分を拾い読みするほうが
良いのかもしれないと思えてきた
(もちろん小説類はそういうわけにはいかない)」
来年は読んだ本の冊数を年度比較するのではなく
自分のためになる読書体験を優先すべきと思えてきたが
それでも読んだ本が少なくなるのは、、
どこか自分から逃げているような気がしないでもない
ところで今年本に費やした金額は35,597円だった

