陰謀渦巻く後宮でただ一つの愛を貫き、誇り高く生きた一人の皇后の切なくも美しい人生を描く、願ったのは、真実の愛だけ――

 

あらすじ

1735年、清の乾隆(けんりゅう)帝が即位すると、彼と幼い頃から愛を育んできた側室の如懿(にょい)は妃(ひ)に封じられる。だが如懿は、叔母と対立関係にあった皇太后や、皇帝の寵愛を巡る皇后、妃嬪たちの権力争いに巻き込まれるように。乾隆帝はそんな彼女を守り、如懿も持ち前の知恵を発揮し2人で支え合いながら困難を乗り越えていく。そんな中、立て続けに皇子が殺害される事件が発生! 如懿は濡れ衣を着せられて冷宮送りにされてしまうが…。次々と仕掛けられる罠と陰謀渦巻く宮中で、乾隆帝の愛に支えられ如懿はついに皇后の地位に上り詰める。しかし、そんな2人の愛にいつしか暗雲が立ち込めていき-?

 

第1話 如意の行方
清朝雍正帝(ようせい)の治政下、第四皇子・弘暦(こうれき)は自身の妻を選ぶ“福晋選び”に幼なじみの青櫻(せいおう)を招請する。福晋選びの当日、母である熹貴妃(きキヒ)の期待に反して、弘暦は青櫻を正室である嫡福晋に選び、その証しの品の“如意”を授ける。同じ頃、雍正帝は第三皇子・弘時(こうじ)の二心を疑い皇籍を剥奪、続いてその母である皇后・烏拉那拉(ウラナラ)氏にも生涯禁足の刑を言い渡す。更に雍正帝は皇后の姪にあたる青櫻との婚姻を考え直すよう弘暦に強く迫るのだった。

第2話 移りゆく時代
青櫻が側福晋として弘暦の『王府』に輿入れしてから6年の歳月が過ぎた頃、かねてより病気がちだった雍正帝が崩御する。これにより弘暦が帝位を継ぐと、雍正帝の唯一の皇后だった烏拉那拉ウラナラ氏に、皇帝の嫡母としての尊号を与えるべきだという声が朝廷から上がる。この話を耳にした弘暦の母・録祜禄ニオフル氏は憤慨し、あからさまに青櫻に八つ当たりをする。そして烏拉那拉氏が二度と再起できぬよう、青櫻に究極の選択を迫るのだった。

第3話 新帝即位
先帝皇后・烏拉那拉ウラナラ氏を排除しようとする皇太后・録祜禄ニオフル氏は、『景仁(けいじん)宮』に幽閉されている彼女に密かに毒を渡していた。烏拉那拉氏は一族の将来を青櫻に託し、毒をあおって死んでいく。叔母の死を目の当たりにした青櫻だが、弘暦にその死因を問い詰められても皇太后の関与はおくびにも出さず、あくまでも先帝崩御を悲しんだあまりの急死だと言い張るのみだった。新帝の即位式が済み、皇太后が『慈寧(じねい)宮』へ移る準備が進められるが…。


第4話 新しい名
青櫻は乾隆帝(けんりゅう)が皇太后を『慈寧宮』へ移さずにいることを知る。そんな中、乾隆帝から青櫻のもとへ“如意結び”と2人の思い出の芝居《牆頭馬上(しょうとうばじょう)》の楽譜が届けられる。一計を案じた青櫻は、禁足の身でありながら乾隆帝を訪ね、皇太后に孝を尽くすよう説得する。その甲斐あって、『慈寧宮』へ移ることになった皇太后は青櫻の禁足を解く。更に自らの名を捨てて生まれ変わりたいと言う青櫻に、皇太后は“如懿(にょい)”という名を与えるのだった。

第5話 “音”がつなぐ思い
西洋の男性が1人の妻しか娶れないという話を宮廷画家の郎世寧(ろうせいねい)から聞いた如懿。乾隆帝に一夫一妻は理想的なことだと話し、怒りを買ってしまう。これにより乾隆帝は『延禧(えんき)宮』から足が遠のくが、結局は自らしたためた絵や書を如懿に贈り、仲直りをする。一方、富察(フチャ)皇后は『後宮』に莫大な経費がかかっているとし、贅沢はやめて倹約するよう妃嬪たちに申し渡す。そんなある日、乾隆帝は琵琶の奏者である白蕊姫(はくずいき)という美しい女子に目をつけ…。

 

第6話 新しい妃嬪
如懿の侍女・阿箬アジャクは、如懿だけが皇帝直筆の扁額(へんがく)を賜ったことを内務府(ないむ)で自慢げに言いふらす。その話は富察皇后や慧貴妃(けい)の耳にも入り、嫉妬にかられた慧貴妃は、自分も直筆の扁額を手に入れようと乾隆帝に直談判に行く。如懿だけを特別扱いするなと、扁額をねだられた乾隆帝は、后妃たちそれぞれに書を下賜する。そんなある晩、執務を終えた乾隆帝は夜伽の相手を『後宮』の后妃から選ばず、琵琶奏者の白蕊姫を呼べと王欽(おうきん)に伝えるのだった。

第7話 雪夜の裁き
冷え性の慧貴妃(けいきひ)に炭を横取りされて寒さに震える海常在(はいじょうざい)のために、如懿はひそかに炭を届ける。その様子を目撃して腹を立てる慧貴妃に、嘉貴人(かきじん)は海常在を陥れる策を献じる。ある雪の夜、慧貴妃は海常在が上位の妃にだけ使用を認められている“紅籮コウラ炭”を盗んだと濡れ衣を着せ、処罰しようとする。如懿は慌てて駆けつけるが、侍女の偽証により海常在は窮地に立たされてしまう。そこへ騒ぎを聞きつけた乾隆帝と皇后が現れる。

第8話 疑惑の塗り薬
慧貴妃(けいきひ)に無礼を働いた罰として頬をたたかれた白蕊姫(はくずいき)は、頬に侍医院から処方された薬を塗っていた。ところが頬の腫れは引くどころか、逆に傷ができてしまう。乾隆帝が侍医を呼び調べさせたところ、肌に有毒な“瑠璃茉莉(るりまつり)”が混入されていることが判明する。白蕊姫は如懿が嫉妬から毒を盛ったに違いないと言い張るが、海常在(はいじょうざい)は如懿の仕業であるはずがないと主張。如懿が帯びている香り袋には“瑠璃茉莉”は入っていないと言うのだった。

第9話 後宮の新年
如懿が寵愛を得たことで、内務府から贈り物が続々と『延禧宮』に運び込まれる。乾隆帝からも“緑梅の鉢”が届き、如懿は喜びながらも侍女たちに自慢を慎むよう釘を刺す。一方、毒入りの薬で顔に傷を作った白蕊姫(はくずいき)だが、実はその背後には『後宮』の実権を握りたい皇太后・烏拉那拉ウラナラ·宜修氏の思惑があった。皇太后は新年の挨拶の席で、即位後初の皇子を早く産むよう后妃たちに期待をかける。子宝に恵まれない慧貴妃は、母親を亡くした第一皇子・永璜(えいこう)を引き取ることを思いつく。

第10話 冷遇
自身の誕辰祝いの席上で如懿は乾隆帝に、彼の生母・李金桂(りきんけい)の追贈と妃陵への改葬を願い出る。だが生母が一介の女官であるという出生の秘密を隠しておきたい乾隆帝は、これをはぐらかす。それでも食い下がる如懿に対して乾隆帝は、その思いを理解するどころか、激しい怒りをぶつけて席を立ち、海常在の部屋でその夜を過ごす。皇帝の寵愛を失ったと見なされ、内務府からの手当が滞った如懿は、厳しい暮らしを強いられるのだった。

第11話 皇子の選択
『擷芳(ケツホウ)殿』でろくに世話をされていなかった第一皇子の永璜(えいこう)は、乾隆帝の希望もあり、如懿の養子として『延禧宮』に住むこととなる。皇后・富察(フチャ)氏は如懿が乾隆帝の長子を手に入れ、寵愛を取り戻したことに脅威を感じ、永璜の乳母だった女官を潜り込ませようとする。だが如懿は乳母を厳罰に処し、『皇宮』から追放してしまう。一方、嘉貴人は如懿に対する皇后の不安をあおったうえで、『養心(ようしん)殿』の王欽を取り込むため、侍女の蓮心(れんしん)を嫁がせてはどうかと提案する。

第12話 悲しき婚礼
入内してまだ半年の白蕊姫(はくずいき)は早々に乾隆帝の子を身ごもる。皇后のご機嫌伺いに集まった妃嬪たちの前で、得意げに懐妊の報告をし、身ごもらない妃嬪たちに皮肉まで言い放つ。一方、皇后は蓮心と王欽の結婚を正式に発表する。蓮心は皇后の意向に逆らうこともできず、泣く泣く年の離れた太監のもとへ嫁ぐことに。だが婚礼の夜、2人の新居らしき所から女性の叫び声が聞こえてきたため、『後宮』ではさまざまな臆測が飛び交うのだった。

第13話 やまない雨
慧貴妃(けいきひ)の怒りに触れた阿箬は、罰として雨の中でずっと跪くようにと命じられる。慧貴妃は阿箬をかばった如懿に対しても、写経100回を命じて去っていく。冷たい雨の中、長時間跪かされて体調を崩した阿箬を、如懿は小言を言いつつも手厚く世話をする。阿箬のような性格は『後宮』暮らしに向かないと案ずる如懿は、早くいい相手を見つけて嫁がせてやりたいと考えるが、阿箬はずっと宮中で如懿の世話をしたいと懇願するのだった。

第14話 心ない噂(うわさ)
身投げした蓮心(れんしん)を救った如懿は、王欽(おうきん)からひどい暴力を受けていることを知る。絶望した蓮心に如懿は必ず助けると励ますのだった。やがて乾隆帝(けんりゅう)をはじめ、皇宮全体が皇子誕生に期待をかける中、玫貴人(まいきじん)が産気づく。しかし男児が生まれるもすぐに絶命、更にその姿を見た乾隆帝、皇后、如懿は一様に言葉を失う。皇后は即座に玫貴人を面会謝絶の名目で隔離、加えて口外無用を申し渡すが、王欽は赤ん坊の遺体を慧貴妃に見られてしまう。

第15話 新妻の妙計
玫貴人が化け物を産んだという噂が『宮中』に広まっていた。乾隆帝は噂を広めた犯人を捜し出すよう王欽に命じる。すると数人の太監たちの証言により、噂の出どころが『延禧宮』であると判明。だが如懿は事実無根だと主張し、乾隆帝も太監たちの証言を信じない。そのため引き続き調査が行われるが、如懿は自身が調査に干渉できないよう自らを禁足としてしまう。ある日、王欽が仕事を終えて部屋に戻ると、蓮心がごちそうを作って待っていた。

 

第16話 取り戻した信頼
王欽が慧貴妃を襲うという事件が起きるが、蓮心が王欽に暴力を振るわれていたことを打ち明け、更に玫貴人に関する噂は王欽が出どころだと証言した。如懿は皇帝の信頼を取り戻し、慧貴妃は皇帝から距離を置かれてしまう。儀貴人(ぎきじん)の懐妊が発表され、皇帝は如懿を皇后の補佐役として抜擢、儀貴人の世話を託す。蓮心を王欽に嫁がせた件で皇帝を怒らせたと思い悩む皇后は、自分が産んだ第二皇子・永琏(ヨンリェン)に将来を託すべく厳しく指導をするが…。

第17話 啓蟄(けいちつ)の悪夢
如懿は『景陽(けいよう)宮』に出た“毒蛇”を追い払い、儀貴人を救う。災厄が続くことを恐れた皇后は、儀貴人を『長春(ちょうしゅん)宮』に引き取ろうとする。ところが嘉貴人(かきじん)は第二皇子・永琏(ヨンリェン)の看病を理由に、儀貴人の世話役として如懿を推薦。儀貴人を引き取ることになった如懿は、『景陽宮』の修繕に使われている顔料に、蛇を引き寄せる“蛇苺(へびいちご)”が含まれていることを突き止めるのだった。陰謀を防ごうと万全の対策を講じる如懿だったが、ある夜、儀貴人が破水したとの知らせが入る。

第18話 裏切り
生まれてすぐ亡くなった玫貴人(まいきじん)の子に続き、儀貴人までもが死産したことで、『後宮』に激震が走る。しかも儀貴人の子は毒に侵されていた。そこで素練(それん)や趙一泰(ちょういったい)が、儀貴人の持ち物などを調べたところ、部屋で使っていた炭や、よく食べていた魚介類に“辰砂(しんしゃ)≦が混入されていた。その辰砂は如懿の化粧台の下から見つかったと言う。また内務府や御膳房の太監も如懿の関与を証言する。それでも如懿の仕業だと信じない乾隆帝の前に、阿箬(アジャク)が呼ばれ…。

第19話 断ち切れぬ情
2人の皇子を殺めたという濡れ衣を着せられた如懿は貴人に降格、『延禧宮』に軟禁となり、如懿が犯人だと信じる玫貴人(まい)や儀貴人から、立て続けに襲われてしまう。一方、懐妊した嘉貴人は、万全を期して『養心(ようしん)殿』内にある居所へ移ることに。また慎刑司(しんけいし)から釈放された阿箬(アジャク)は、陛下の側仕えを経て、常在(じょうざい)に封じられる。乾隆帝は如懿の潔白を証明するため、侍女の毓瑚(いくこ)に命じ、ひそかに調査を続けるが、如懿が大勢の者から命を狙われていると知り…。

第20話 冷宮送り
如懿が皇子を殺めたという件の真相解明は、皇太后の命によって棚上げとなった。第一皇子・永璜(えいこう)は乾隆帝に如懿の無実を訴えるが、皇帝は取り合わず、永璜の養育を純嬪(じゅんひん)に託すと言い渡す。『冷宮』へ送られることになった如懿は、直接、乾隆帝に本心を問いただすが、乾隆帝の苦しい胸の内を知り、覚悟を固める。海貴人(はい)と純嬪に見送られながら如懿が『延禧宮』を後にしたその日、昇格した慎常在(しんじょうざい)、玫嬪(まいひん)、嘉嬪(かひんひん)の冊封式が執り行われていた。

 

参考
キヤスト
あらすじ 第一話詳細あらすじ 第一話~第二十話
あらすじ 第二十一話~第四十話あらすじ 第四十一話~第六十話
あらすじ 第六十一話~第八十話あらすじ 第八十一話~最終話