母の突然変異 | 速報いくのふ☆

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最近よもさんは、
横にいるわたしに寄りかかってふざけたり、
スカートにつかまってフラフラと立ったり座ったり危ない。
頭を打つことだけは心配で、
いつも気にかけている。

今朝、いつものようにテーブルにつかまり立ちし、
よもさんは好き勝手していた。
わたしは食器を台所に運んでいた。
ドンッと鈍い音…。
後ろに倒れ頭を打ちびっくりして放心している。

わたしは打ったと思われる箇所にしばらく手を当て自分の不甲斐無さを鎮めた後、
気づいたらよもを立たせ大きな声で叱咤していた。

自分の足でしっかり立つ!
人を頼りにしない!
手を開いてちゃんとつかまる!
足!ほら!フラフラさせない!
周りをよく見る!
お母さんいつもそばにいられない!
自分のことは自分で守る!

よもは泣かずにわたしの顔をまっすぐ見ていた。

言いながら同時にハッとしていた。

わたしだ…
わたしがフラフラしているんだ。
足の裏が痛くて変な歩き方になっている。
手首が腱鞘炎で指の開きも中途半端…
わたしだったんだ…

よもがフラフラしているからそばを離れられないと思い、
いつも横にいるからよもさんはわたしを頼る。

この瞬間からわたしは急によもを突き放すようになった。
どうにももう止まれない。