前書き


書き出しの時点で半年遅れってもはや単なる思い出話なのだけど、自分の記録と思ってなんとか書ききってみせる。

速報的な記事はすでに出したとおり、三度目の正直ではなくて、二度あることは三度ある、の方になった。

賢くはない🐱は、冬の間に夏の暑さのことを思うことは困難で、毎度あーすれば良かった、こーすればマシだった、と思う。ようするに成長がないのだった。





走ってきた!第20回富士山頂往復マラニックその①いただきへのはじまり
2023.7.28(金)~29(土)


記念すべき20回目を迎えたゼロ富士。参加申込みは昨年の第19回に引き続いて抽選となり、今年も選んでもらった。第17回も入れて3回目の出場となる。

装備はこんな感じ。
水を入れてちょうど5キロ。

当初案内では18:00までの自由スタートだったので、🐱は17:00スタートの計画でいたが、3週間くらい前にメール連絡があり、今回は16:00までに全員出発するようにとのこと。
何でもスタート地点にしている公園の利用時間の関係らしい。新幹線の予約を早めようか迷ったが、割引率の良い切符が取れたし、少し忙しいが間に合いそうなので、そのままとした。

新富士駅着は13:30くらいで、うまいことに今年も駅内のきれいなトイレで軽量化することができた。これで安心。ついでに個室内で手早く走る格好に着替えてしまう。

13:50 いただきへのはじまり、今年もやって来ました。
 駅の外に出ると、降るようなセミの鳴き声。
人の声が聞こえないほど。夏だなぁ。

まずは後泊するR1沿いのルートインへ。
駅から汗をなるべくかかないようにゆっくり歩いて10分。ゼロ富士に不要なものを預ける。ルートインには旅人の湯という名の付いた大浴場があり、まさに旅人の味方。思いっきり走った後の風呂が楽しみ。

スタート・ゴールは、ふじのくに田子の浦みなと公園。ここは公共交通といえば、ワゴン車を使ったコミュニティバスのみというアクセスはよろしくないのだが、誰も文句を言う人もいない。なぜならゼロ富士のスタート地点にここほど相応しい場所はないから。

みなと公園へ行く前に腹ごしらえするため、R1沿いイオンへ。店内に入ると炎天下を歩いてきた身には肌寒いほど冷房が効いてる。凄まじい気温差に一瞬目眩がしたが、堪えて案内板を凝視する。
おう。胃に優しそうなはなまるうどんにしよう。

14:28 糖質補給
2階のフードコートへ。丸亀派の🐱ですが、はなまるもうまい。ぶっかけ冷大盛+かき揚げ。

近道をしようとイオン裏手の住宅地を抜けて海岸へ向かうが、若干迷って結局Googleさんに導いてもらう。路地歩きはそれはそれで楽しいのだが、公園にたどり着いたのは15:35と余裕が無くなってしまった。

15:40 受付
大方の参加者はすでに受付を終えたらしく、並ぶこともなかった。誓約書を提出し、装備チェックを受ける。チェックは主に夜間行動用のヘッドライトと反射板の確認。昨年は反射板の不足を言われたのだが、今年は反射テープを持参したので、大丈夫だった。

受付前の広場。
コロナ前の一斉スタートの時代は、ここでオカリナの伴奏でふじの山の歌をみんなで歌った。

もう出発した人も多いようで、人が少ない。
歌を皆で歌うと、見ず知らずの人ながら連帯を感じた。「あーたまを くーものー うーえにだーしー」といつかまた皆で歌いたい。
出発間近となり、
使用前の写真をスタッフ様に撮ってもらう。

15:50 ゲートへ移動。
海に手を浸けようと一度砂浜へ降りたが、消波ブロックに阻まれてたどり着けず…無理して出られなくなっても嫌なので、諦めた。

ゲート前
あれが最終便の方々。ゼロ富士、ゼロ富士プラス、ゼロ富士X1(エックスワン)あわせて300人弱いるのだが、残っているのは10人ほど。

15:55 はじまりの鐘
残念ながら富士山は雲に隠れている。ちょうど鐘の後ろに見えるはずだが。「ゼロ」を象ったモニュメントは、ここから旅が始まることを意味していて、この場所に立つ度に胸が熱くなる。

16:00 スタート
そうこうしているうちに時間となった。慌ててゲートまで行き、皆と一緒に走り出す。24時間後の16時まで戻ってくれば、完走となる。賞金や賞品はない。

少々細かいがペースノートを掲載。


公園の下り坂を駆けおりて左に集落、右に田子の浦の港。港越しに富士山、の絶景は今年はお預け。漁協の建物を目印に早めに旭化成の工場側歩道へ移動する。漁協の食堂では生しらす丼が食べられるそうだが、午前中くらいで売り切れるそうで、それを口にできるのは物凄く速い人か、早々にリタイアして戻ってきた人、ということだ。🐱は当然ながら、食べられたことがない。

旭化成の正門前でR1の高架下を通る。潤井川を前田橋で渡り、東海道本線を歩道橋で越えると交通量の多い港大通りに出た。港大通りは、信号や店舗への出入りのクルマもあり、一定のペースでは進めない。
旭化成を過ぎてからはしばらくひとりで走っていたが、港大通りに出てからは何となく前後にランナーを見かけるようになった。

港大通りを2キロちょっと行き、西富士道路とぶつかる大きな大きな丁字路を右折。ビックモーターが良い目印。西富士道路は4車線あり、緩い登りが続いている。まだスタートして5キロほどだが、汗が止まらない。

西富士道路を1キロほどで富士インターを富士富士宮線へ左折。
富士富士宮線は2車線だが、こちらもクルマの往来が激しい。夕方となり、人の行き来も活発なのだろう。

17:15 8.8キロさわやか富士鷹岡店
目印にしているさわやか。あぁ。さわやかのハンバーグ。食べたい。食べたい。静岡には何度も来ているが、まだ食べられてない。東日本におけるびっくりドンキーのような感じだろうか。

予定より9分遅れだが、まだ良いだろう。新東名高速の下を過ぎると、緩やかなアップダウンの続く道となる。何軒かのお店やスタンドでは水道のホースが伸ばしてあり、ゼロ富士の参加者が水を被れるようにしてあった。ありがたいことである。

今回は必殺?のアイテム、折り畳み傘を持参している。殺人的な日射を避けるため、手に持って走り、信号待ちの度に広げて日影を作っている。ちょっとめんどくさいが、日除けの効果はある、と信じる。実際に効果を期待するのは、復路の日中だろう。下界へ降りてきて炎天下の逃げ場のない道で役に立ってくれることを期待する。

17:50 富士宮駅前
富士富士宮線は交通量も多いし、歩道を横切って店舗へ出入りするクルマも頻繁。走りやすくはないが、それでも歩道率は100%なのとコンビニが随所にあるので、助かる。

17:55 浅間大社南
夕暮れ時の富士宮市内。富士宮駅を通り越すと浅間大社が近い。信号を右折すると、左手に参道が現れ、手前に広場とトイレがある。正面には山門が見えた。
まずはトイレを借りる。用を足して手を洗っていると、急に水を被りたくなった。普通の手洗い場に頭を突っ込んで水を被る。日除けのアームカバーに水を掛ける。散らかした水を手拭いで拭いて、最後に手拭いも存分に洗った。
さっぱりした気持ちで軒下のベンチに腰を掛けると、横になりたくなってくる。
これはもう熱中症だ。ザックを枕にベンチで伸びた。濡らした手拭いを額に充てると、これが気持ちいい。
休むしかない。身体を冷まさないと走れない。まだ序盤戦、112キロ中のたった15キロでは帰れない。


しばらく寝て、ふっと気が付く。時計を見ると、10分程度しか進んでいなかったけど、頭が軽くなった感じがする。まだいける。

18:15 14.3キロ富士山本宮浅間大社
とりあえず、旅の無事を祈る。この時間でもたくさんの観光客がいる。

湧玉池。手を浸けてみると、とても冷たい。
湧水なのかな。ドボンしたくなるほど、気持ちいい。

湧玉池を通り、富士宮富士公園線へ出る。金曜日の夕方、家路を急ぐ車列が続いている。この道は富士山スカイラインまで繋がっており、ここからはもう富士宮口5合目、いや富士山の山頂まで40キロ登りしかない。登りに備えてここでポールを出した。

浅間大社からいきなり急登となる。次のポイントのセブンイレブンまでは1.5キロほどしかないのだけど、35分も掛かってしまう不思議。

18:50 セブンイレブン富士宮城北店
ここはゼロ富士ご一行熱烈歓迎のセブンイレブン。今年も本当にありがとうございます。
まず駐車場でアルバイトのお兄さんお姉さんがホースを持って打ち水をしていたので、おねーしゃーすと頭を下げる。と、たっぷりと被り水。生き返る。
店舗脇にはワンタッチタープテントが設置されて、イスまで用意してある。先着の参加者がそれぞれ休んでいる。🐱はスポドリと冷凍ドリンク、夕飯は流し込めるものが良いだろうとぶっかけうどんを購入。

19:00 ぶっかけうどんの食べたあと
テーブル代わりの什器。サーキュレーターは扇風機の代わりか。ぶっかけうどんは食べるまで中の仕切りをとったり、薬味やつゆをかけたり、早めに動きたいときには意外に面倒だった。味は良い。
けれど、残念なことに胃が早くもストライキを始めそうで、何度か詰まりながら、見てる人がいれば🐱の目が白黒になっていただろうけど、食べきった。
あぁ。またか。やっぱり脱水になるとダメなんだ。これ以上悪化しないことを願って、ここで太田胃散を投入した。



つづきます。