劇団6番シード「劇作家と小説家とシナリオライター」感想(Aチーム日程)その② | ささぴーさんの長い文章 ☆ぐぐたすからお引越し☆

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Google+で公開していた舞台観劇、SKE48公演の感想ブログのアメブロ移籍版です。
めちゃくちゃ長い文章で感想書いてますが、お時間のある時にお読みください。

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劇団6番シード 第67回公演
25周年記念公演第3弾

劇作家と小説家とシナリオライター(Aチーム日程)


11月23日(金) 18:00公演
11月24日(土) 13:00/18:00公演
11月25日(日) 13:00公演
11月27日(火) 19:00公演


池袋・シアターKASSAI

観劇感想 その②

 

 

<ご注意>
・この感想はだいたいネタバレです。ラストシーンまで書いてます。

 

 

 

 

 

ということで、「その②」です。

キャストさん個別の感想です。

「その②」では作家さん、制作者さんの6番シード劇団員のみなさんです。

ここの内容だけで4000文字くらいありますので、

本当にお暇なときでお読みくださいませ。

 

パンフレット順で進めます。
感想の長さに一長一短ありますが、その点はご了承ください。

なお、Aチームのみです。

 

 


◎劇作家 (土屋兼久さん)

もう、前向き!アツい男!情熱が滲み出るような会議での男っぷり。
物語のチェックをするときの姿が印象的で。
「ここで来るだろ!!ここで来るだろ!!」と言うような待ってる感。
ぐいぐい引っ張る感もあるんですけど、
俺がこの場を引っ張ってるんだ。リーダーしてるんだじゃなくて、
トップランしまくっている状態。絶対的エースな感じでしょうか。
走りまくって、周りにとがめられる、なだめられる感じな。

いちいち仕草もカッコいいし、頭を掻くのもカッコいい。
表情も豊かだし、男前を10馬身独走している感じで。
絶対ミーハーな若い女子が居たら一発で落ちると思う。(笑)

とはいえ、悩むときは地の果てに落ちるくらい悩むし、
企画がポシャった時に、この世の終わりと言う位泥酔するし。

ダメな部分もしっかりと見せられる、その演技が凄いですね。

しかも、友情にめちゃくちゃ熱い。
劇団立ち上げから一緒に駆け抜けた仲間を、
9人の男女の中の「役者」役に投影させて、
思い入れを強くし、時には「いけ、お前の時間だ」と励ます。

「舞台袖の忘れ物」のシーン。
この2人の関係性を強く表現されているシーン。
断片的に関係性が表れているところから、
泥酔して劇作家さんが落ち込んでいるというところで
このシーンが詳細に流れてきて。
さらにアツさが増してきて、後半の「いけ」の場面に繋がるのかな。

トータル的に男としては完璧だけど、
出会う女性にはそんなに恋愛感情には至ってないのね。
アツい男にはアツいままで見られてしまっちゃうのかな?

ふと思い出して、「傭兵~」の時には
何の役をされていたのかな?と思って確認したら、、
サバンナ編の伍長の役とわかってビックリ。
あっちは野グソする、ちょっとダメで落ち着いた役でしたが、
全然役の感じが違うなと。ビックリでした。
役の雰囲気の違いが出せる、凄い役者さんですね。



◎小説家 (小沢和之さん)

「傭兵~」の時はヤクザな関西男。
その前に観たのはボクラ団義さんの「耳蒼(略)」(大阪公演!)で。
西郷隆盛役で、龍馬を殺害の超黒幕ということで、
めちゃくちゃダークで重厚な印象が強い役者さんですが、

今回の「小説家」は一転しての「温和」。
出てきた時には全然ダークイメージがくっついてましたが、
話を始めた瞬間、平和的で優しくて。
満面な笑顔は出来なくとも、小鳥が肩に乗っかりそうな。
優しさに包まれまくっている初老のおじさんの雰囲気。

絶対的にこの人は優しいんだ。って感じ取れました。
と言う感じの演技です。

優しいが故の、バイト先の周りの人たちは冷酷が増し。
こんな人のせいにしがちな人たちの周りでも
温和にして、優しく受け流せる姿が素敵ですね。

こういう人だから、たとえ世間では「終わった人」でも
「編集者」さんが慕っているんでしょうね。
評価している人が居るというのは嬉しい所。

だからなのか、横領をリーダーに罪をかぶせられ、
激高することもなく、ただ、涙に暮れてしまう場面。
全然、嫌な顔、怒った顔もせず、
ちょっと表情を崩して、静かに顔を伏せて嗚咽する。
終始、優しい人間が滲みだしてたのは印象的でした。

途中、「汚い言葉」を自ら実践するかのために
無理やり激高して関西弁で捲し立てる場面がありましたが、
あれはどちらかと言うと小沢さんのキャラを出したのかな。
そこで見たのは「傭兵~」までで見た小沢さんのイメージでした。(笑)
この辺りは、松本陽一さんの優しさが入っているのかな?



◎シナリオライター (椎名亜音さん)
バラエティ番組のクイズ問題などのリサーチを長くやっていて、
つい最近、深夜枠の連続ドラマで脚本家としてデビュー。
4歳の娘さんの和美ちゃん(ここは名前付くのね。ww)を持ち、
働きながら、女手一つで育てるシングルマザーさん。

たぶん劇中に「シングルマザー」と言う表現がなかったので、
例えば、娘さんが怪我をして我を失い、涙にくれる、
そんなシーンがあったんですが、
シングルマザーと判ればもうちょっと理解出来たような気が。
私は旦那さんが居るものだと思ってました。

でも、逆に言えば、今のご時世で、
劇中全般のこういう状況になっているお母さんと言うのは
「シングルマザー」な方が多いと定義されてるのかな。
私自身が時流に対応できていない証拠なのか。

「自分の子供にこの作品を作ったのよ、と胸を張りたい。」ということで、
リサーチャーじゃなく、補助的な作家ではなく、
クレジットに大きく載る「脚本家」として独り立ちしたい。

夢はあるけど、現実とぶつかってなかなか進めない。
でも、ドラマプロデューサーさんはそんな夢を聞いてるから、
「こんなこと言ってたよね」と初心を語り、励ます。
受け止めて諭すプロデューサーさんの姿勢も嬉しいですね。

今めちゃくちゃ苦悩している現場担当者と言う姿。
挑戦しようという姿がめちゃくちゃ印象的でした。
それを物語っているのが
「膝小僧擦り剝いてでも飛び込みたいんです」という言葉。

母であり、挑戦者であり。
そういう姿を十二分に表現されてて、見応えありました。

亜音さんって等身大な女性の姿を表現されるのが巧い気がする。
以前観劇したのが、2年前の「ロストマンブルース」。
その時は、記憶喪失の夫を
赤の他人のヘルパーとして立ち回る主婦の役で。
ホントにお母さんというような役柄だった記憶があります。
とは違い、「傭兵~」の時は事変に翻弄される兵士役。
色んな役に適応できて、順応されるのが凄いっすね。
今回の役も見事に等身大で、めっちゃ堪能しちゃいました。
 

 
 

 
 


◎舞台監督 (樋口靖洋さん)

劇中の劇中の(笑)キャラに「コメディ」設定があるんですが、
ここのお話のコメディ要素が舞台監督さん。

話の中でも、ドラマプロデューサーさんと編集者さんが
「舞台監督って何をする人なんだろう?」と疑問が出て、
この後数回、謎行動を見て、
「やっぱりわからん」と2人からツッコミが入るくらい。

ホント、舞台監督さんって何をする人なんでしょうね。(笑)

同じ時間軸設定で登場する美術担当さんと
見事なコンビネーションを見せていて、
終始笑わせてもらいました。
会議室から去る時の高笑いとか、マジ半端ない。(笑)
あれを待って笑いたい気持ちも私の中でいっぱいありました。

初見したときに舞台監督さんのシーンから
徐々に笑いが温まってきたのは、
その起爆剤として樋口さんの演技がそうさせたと思います。
そこまでは何が起こるんだろう?と
不思議な感覚と、不穏な感じがありましたから。

その美術担当さんと自己投影しているであろう、
劇中の劇中の(笑)ガテン系女子の「職人」が
ラストシーンで部屋を出ていく際に、
腕を組んで彼女を見守る姿、目線があったかくて。
ああ、この人も物語を作ったひとりなんだなと思ったり。

とにもかくにも、あったかい役柄でしたね。



◎編集者 (藤堂瞬さん)

おそらく、小説家さんの熱烈なファンなのか、
彼を慕っているのか、仕事を共に進んできたのか。

小説家さんの良い所を取り上げたり、
健気な姿に感銘しましたね。愛があるというか。

でも、逆に仕事が詰まって追い付かずに
「私」の持ち込んだ小説のチェックも、
後輩に代理でお願いしちゃったり。
その後輩と恋愛関係なんですけど、
デートも断りがち、LINEも未読になりがちで、
仕事ファーストな姿が投影されている。

でも、その仕事ファーストな姿勢は
小説家さんを支えるためなんだと。
ホント健気。めっちゃ良い感じですけどね。
オトコの突き進む姿は女性にはなかなか理解できないか。
逆にオンナ心はなかなか男子には伝わらない。

色々仕事が詰まって、
後輩の彼女に半ば三行半を突き付けられてるシーン。
「助けてくれよ」と切ない言い方が印象的で。
この人も、仕事に、恋愛に、板挟みになってるんだと。

最近の世の中って、働き方改革とは言うけども、
経済状況も悪いから、一人に係る仕事の量が多くなる。
そうなると残業も多く、全然改革にもなっていない。
家族や恋人に時間を作るというのも、なかなかで。

そういう社会の姿を見せられたのが
編集者さんの立場なのかなと思います。
同じようなのが、シングルマザーであるシナリオライターさん。
色々な社会の一端をこの作品で表現していると思います。

あと、情報屋としての立場もあったんですね。
難病のリサーチや、監査部のゼロの素姓を調べたりとか。
もしかして、スーパーマンに登場する
クラーク・ケントを、姿とかキャラとか意識してるのかな?
ムキムキにならず、飛ばないだけで。(笑)



◎ドラマプロデューサー (宇田川美樹さん)

判断力に長けていて、決断が早い。
ズバズバいうところは直球に刺さるように話す。
自分の仕事である、予算やスケジュールの話を
作家さんや自分以外から話が出ると
「作家が予算の話をするんじゃない!」と一喝。

でも、「お芝居」に対しての姿勢は真摯で。
作家さんに対してはその道の話でまっすぐに話す。
そこには金とか余計な都合で理由を付けず、
芝居に対しての話を作家目線で話をする。
そして自分の仕事に対しての責任感が強い。
逆に自分の知らない部分は無頓着。
(舞台監督さんって、わっかんねーーの部分とか。)

もう、なんか理想のプロデューサーの姿。
そういうイメージで書かれたのでしょうか。
作家さんとしてこんな人が居ると嬉しい的な。(笑)

難癖付けて、自分の責任にせず転嫁しまくって、
あいつが、会社が悪いから、出来ないんっすよ。とか。
自分のせいじゃないよと、「俺にも家族があるんだ」と、
保身になりまくって、安定を求めようとする人も実際居ます。
そうじゃなくて、自分の持ち場をきっちりとやり切る人。

外見は厳しいながらも、真摯で静かなる闘志はアツい。
中に入ればその姿を知り、次第に距離を縮められる。
仕事だと割り切って、プライベイトな部分は出さず、
仕事に対して、まっすぐな人も中にはいらっしゃるんですよね。

そんなに深くは存じないので、勝手な解釈ですが、
宇田川さん主催のトークイベント(春話祭とか秋話祭とか)で
出演の女優さんからの話を総合すると、
このキャラと宇田川さんがリンクしてそうな感じで。

若林倫香さんから伺うお話とか、そういうのも総合して、
きっと、キャラとして投影されているのかなと思ったり。
作り上げていく物語のキャラを作家たちが投影しているかのように。

情報漏洩などで、企画中止が濃厚になった際、
「いい話だったのにな~」と片隅で嘆くシーンがありますが、
物凄く弱みを見せるシーンが物語中あそこだけで。
たぶん、オフになった時には、
自宅で飼い犬と愛でながら癒されてるんだろうな。
独りになって涼しく酒を飲んで、ツツーッと涙が零してるんだろうな。
・・・・とか、なんかそういう姿も想像もしまくっていました。(笑)

私にとっての「理想の上司」がそこに居た気がします。

 

 

 

その②はここまでです。

その③は登場人物「ナンバーズ」さんの個別感想です。