劇団6番シード「劇作家と小説家とシナリオライター」感想(Aチーム日程)その① | ささぴーさんの長い文章 ☆ぐぐたすからお引越し☆

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Google+で公開していた舞台観劇、SKE48公演の感想ブログのアメブロ移籍版です。
めちゃくちゃ長い文章で感想書いてますが、お時間のある時にお読みください。

◎Twitter https://twitter.com/sasapy2016_MB

劇団6番シード 第67回公演
25周年記念公演第3弾

劇作家と小説家とシナリオライター(Aチーム日程)


11月23日(金) 18:00公演
11月24日(土) 13:00/18:00公演
11月25日(日) 13:00公演
11月27日(火) 19:00公演


池袋・シアターKASSAI

観劇感想 その①

 

 

<ご注意>

・この感想はだいたいネタバレです。ラストシーンまで書いてます。
・その①だけで6000文字あります。時間のある時に文字を追ってください。

 



で。。。!!


アメブロに移籍して1発目の感想!


今後も若林倫香さんの出演する舞台を中心に
観劇した舞台の感想やその他色々を
つらつら、つらつらりーーーん、と書きたいと思います。

無駄に長い文章ですが、どうか今後とも、よしなに。




ということで、11月の三連休、

東京に3日間お泊まりで、劇団6番シードさんの新作の舞台観劇に行きました。
(泊まったホテルは埼玉ですが・・・・・・・・・・・。)

9月に上演された、6番シードさんの「傭兵~」の終演後に
若林倫香さんが新たに11月に出演されるということで。

しかも、再びの6番シードさん。
劇団所属の宇田川美樹さんにはイベントに呼んでもらったり、
舞台の客演に呼んでいただいたり。
前事務所を離れた以降、めっちゃお世話になっているようで。

まあ、そのきっかけで
今年になって、ようやく6番シードさんの舞台も私も観ることになって。
前作の舞台も、若干の違和感は生じながらも、
アフリカの戦地を舞台にしたダイナミックな作品を見れて。
ホントに良かったなぁ~と思ってます。

自分でもなかなか開拓して他の舞台観に行こうと云うような
あんましそういう意欲がないので、
若林さんが出演するたび、新しい劇団さんの舞台に呼ばれるたび、
自分の見識がめちゃくちゃ広まっているような、そんな感じなのです。



ということで、今回の作品は
「劇作家と小説家とシナリオライター」という作品。
3週間、33公演、3チーム別のロングラン公演。

A、B、Cとチーム分けされている、
Aチームに若林倫香さんが出演されます。11公演です。



事前に聞いているお話としては、
タイトルの3人が企画会議をして話を作るという内容。

この時点で思い出したのは、
三谷幸喜さん脚本の「ラヂオの時間」というお話。
1997年に映画化された作品ですが、
普通の主婦がコンクールで賞を取った脚本が
作者本人の意向がないまま次々と改悪されるというコメディ。

こういうギョーカイっぽい内容の話も結構好きで。
ミーハーな私がめっちゃクスぐる感じな気もして。
そういう面もあるのかなと想像してみたり。期待してみたり。


ただ、出演者の役名が謎で・・・・・・・・・・・。
普通の役柄なのか、特殊な演劇内容なのか。

若林倫香さんの役名は「私」。

役名には謎の「one」「two」・・・・と「nine」まで。
そして、「ゼロ」に「プラス」に「マイナス」????????

色々な面白さと不安と凄さと。
事前から謎ばっかりの感じで、
めっちゃ不気味さが更にマシマシしているような・・・。

若林さんにも稽古途中の段階、とあるイベントにて、
どんな役柄なのか聞いたことがあるんですけど、

「なんて言っていいのかな~、、、、、、、、、、不思議な役柄???」

ということで、更に闇の中に入ったような感じがしてきました。(笑)


Twitterでも稽古の風景がよく流れてきますが、

役名に数字がついているメンバーが
白い服装で統一して稽古に挑んでいるらしくて。
そういう意向で稽古するのに、
間違って忘れて白い系の服を着て稽古に挑んだ若林さん。
・・・というエピソードも聞かれましたね。

ただ、その時は統一するのが何故ナゼで意味不明でしたが。(笑)



劇場は夏のアリスインデッドリースクールでお馴染みの
池袋の街の喧騒の片隅にある「シアターKASSAI」です。

客席が少ない、やや小さめの劇場ですが、
更に今回は普段で言う下手側に客席を作って、
二面の客席に囲まれたステージ。
ただ、お客さんとの境がそんなになくフラットで。

おそらく、演者さんが出入りする黒いドアがあって、
ステージ中央には意味深な言葉が書かれた床に
三角形の机が置かれて、3つの椅子がある。

 

 

 


さらにその周りには白色の椅子が9つ。
これが「one」・・・とかという役柄が座る椅子なのかな?
中央の机に備えられている椅子は
ちゃんとした黒い丸椅子なんですけど、
白い椅子は木で出来た様な真っ白な椅子。

照明もちょっと暗い目になっているので、
ますます不思議な世界に来たような感じで。


開演前にはお客さんが立ち入らないようにロープを張ってて。
その状態で毎公演「前説」トークを
当日出演しない別日程の出演メンバーさんと
作・演出の松本陽一さんとお話を展開されていました。

ちなみに、この前説は
C日程ご出演の夢麻呂さんが初日始めたもので、
以降、通例化したという
本当は行うはずじゃなかった、その場で決まった「通例」。

でも、こういう前説って私個人的に大好きなので、
開催していただいてホント感謝です。
味気ない事前音声アナウンスだけよりも大好きで。
ネタバレ要素が多い舞台なだけに
慎重にお話を進めながら、場を温めるのが良かった。

AチームとCチームは
登場人物「eight」で出演の阿部博明さんが皆勤賞。
開場前にも寒空の下スタッフさんとして立ってましたし。
ホントに凄いっすね。素敵です。

ちなみに、この舞台の音声アナウンスは
声優の茶風林さんが担当されてました。
サザエさんの波平さんや、コナンの目暮警部を担当されている。
あ、味気なくはないです。前言撤回します。(笑)



で、

このステージに置かれた三角形の机に、
劇作家と小説家とシナリオライター、
3人が黒いドアから入場して、集まり、
世間話と、名刺交換と言う社交辞令を始めて、
ゆっくりと劇がスタートし、進行していきます。



お話ですが、

新進気鋭の劇団主宰、ダイナミズム視点の「劇作家」と、
主婦で市民感覚、リアリティ視点な「シナリオライター」と、
ヒットから鳴りを潜めた、言葉を大事にする初老の「小説家」が、
舞台、テレビドラマ、出版のメディアミックス企画のため、
イチから作品を作り出すというもの。

与えられた題材は「9人の男女」。
海外ドラマのような群像劇を目指していると思われる。
そこから、作家同士でキャラクター設定を行い、個性を付けていき、
更に、その9人と関係性が繋がる、「私」というキャラを生み出す。
「私」と直接的、間接的に出会い、救うべき存在と位置付けられる。

これは「私」が主役の物語。そこに行きつく。

3人の作家と、その周辺の人物たち。
「或る物語」と実際は繋がっていることはないのに、
作家の実生活で起こる出来事が
話の要素として取り入れられることになり、
徐々に現実と物語にリンクが出来ていく。

いつしか、作家独自のキャラへの思い入れが強くなっていき、
「私」と「9人」のお話が自分の物語の如く徐々に作り上げられていく。

プロットを立てて、
「ドラマプロデューサー」、「編集者」、「舞台監督」の制作者が
作家と交えてチェックを行っていく。

ただ、そこはオトナの会議。
「長セリフが多すぎる。」
「コンプライアンスとしてどうなんですか?」
「そんな社会派なことを取り上げたいの?」
「言葉が綺麗ではありませんね・・・・。」
「キャラクターが生かされていない。」
「逆にどう使ったらいいか判らないコメディリリーフ。」
「挑戦してみたいんです!!!」

作家同士での会議、制作者も含んでのチェック。
そこから、更に差し引き、加え、膨らませて、
チェックを重ねて段階的に「或る物語」を生み出していく。


前半のプロットが出来上がったタイミングで
「新たに外側からの敵を設定しましょう」と
劇作家がアイデアを出した、
その時、そこにテレビ局の監査部員「ゼロ」が割り込む。
「・・・・・・・・・・・中止にしましょう。」


ゼロはこの企画を確実な中止に追い込ませるために、
あの手、この手で、あらゆる手を尽くしていく。
法律に抵触するから劇場が使えない。セットが使えない。
小説家が横領で罪を着せられ、警察に逮捕される。
それを利用して、SNSでその事実が拡散される。
関係者からのリークなどで、
メディアミックス企画の「頓挫」が現実味を帯びさせる。

なくなっていく企画。
作家の周辺でもトラブルなどが起こり、
作家たちは悲しみに暮れ、涙を流すシーンが展開される。

しかし、劇作家の目は死んでいなかった。
「ピンチはチャンスと言うじゃないですか」
「今置かれている状況を物語を生かすとか。」
「めっちゃ面白いって言ってたじゃないですか」
「信じてみませんか?・・・・・・物語の力!!」

他2人の作家も目が死なず、更に意欲が高まる。
そこで3人の意識が1つに共有される。
「物語を上手くするコツはラストシーンまで書ききること」
作家志望の「私」に3人の作家がそれぞれアドバイスした言葉。

いつしか出会っていた「私」を元に
作家3人の頭の中でキャラクターとして昇華できてた。
その「企画」、その「私」を作家たちが救うために立ち上がる。
ゼロの野望を討ち下すために制作者たちも再び立ち上がる。


現実に起こった事例も盛り込みながら、更に肉付けを行う。
ラストシーンまで一気に作り上げていく。
「私」が9人により救い出され、
この物語を書き始めるという、ラストシーンに向かって・・・・・。



と言うようなお話です。

1つのお話にはなってますが、物語が並行で進みます。



会議室で起こっている作家、制作者、
その周辺、更に「ゼロ」とのやり取りが「1軸目」。
作家たちの周辺の回想もそこに含まれる。


生み出した「9人の男女」キャラ、
「私」、「ゼロ」と、作り上げるプロットと共に、
「或る物語」として進行されるのが「2軸目」。


「私」は作家、スタッフと関係性を持ってくる。
舞台観劇して感銘を受けた「私」が劇作家にファンレターを。
シナリオライターとママ友が話す喫茶店に「私」が。
小説家がバイトで働く店に「私」が来店する。
その中で「私」と出会い、アドバイスをしている。

「私」は小説を書いていて、
新人賞の応募で「編集者」の出版社に訪れる。
編集者の後輩がその物語を読んでいる。

その関係性は「或る物語」にも反映され、肉付けされ。
「私」と関わり救う物語が、
実際にも「物語の力」で「私」を救い出す。


ラストシーンまで作り上げられた時に出る「真実」。
「作家さんに早く名前を作ってもらわないと」


ここまで来て、本当は「私」の中で作られた話で。
最終的に「私」が出会った人たちから聞いた話とかを
感銘して、つなぎ合わせて、プロットとして作り上げた、
ひとつの物語を執筆する「スタート」として
この舞台の物語が終演と誘われていく、これが「3軸目」です。



色んな軸から、偶然に重ね合わせられ、
「繋がり」「紡ぎ」を重ねて重ねて。
糸から布を作り出すように物語が作り上げられるんです。
舞台を観ながら、目の前にも脳内にも物語が。
ホントに何もない所から作り上げられる感じが心地いいんです。

会議が進行されていくときには
キャラクターとして周辺に座る登場人物が動き、セリフを発し。
作家たちの脳内として、白い衣装の9人が動き出す。
ドラマ版だとこう、小説版だと、舞台の展開としてこう。

ブレストなので試行錯誤が繰り返されて、
変なアイデアとかも登場人物が演じてしまうということも。
だいたいは劇作家さんの飛躍しすぎたアイデアで、
拳銃で解決するとか、キャラが変わるとか。
そういう状況が次々と目の前で差し引き展開が進行される。

OKテイク、ボツテイクも流れていくので、
見ている観客もその状況が脳内疾走されていく。
無駄な部分は「カットしましょう」「カット!」と矢継ぎ早に。

初めて観劇した時は俯瞰で見れる一番後ろの席で観ましたが、
紡ぎだされる感覚がめちゃくちゃ脳内で駆け巡って。
めちゃくちゃピースが次々と出てきて、
見ていくたびにうまい具合に繋げられるんです。
オートマティックに、ほいほいほいっ!!って感じで。



で、プロットの区切りまで行きつき、
プロデューサーさんの「いいでしょう!!」のセリフが来た時に、

完成した!!!

FIXした!!!

・・・・・・・・・・・・・って感覚が。(笑)



私の実際の仕事で舞台であったような会議をすることが多くて。
これはダメ、いいんじゃないかしら?、もっと膨らませて、
これは法律に抵触する、抜け道があるとか。

そういう仕事をやってきたからこそ、
目の前に起こる舞台の出来事が脳に入ってきて。
自然と色々考えて巡らせていくのが出来上がってました。


さらに、私の周辺で、主にTwitterで起こった出来事も
話の中で羅列されていくんですよね。


東京の劇場さんが警察の指導で閉館になって、
制作の方が代替の劇場を探すという事象があったり。

私の知っている大阪の女優さんが、
ある日突然ギランバレー症候群に罹患したと知って、
Twitterにその状況とかをツイートしていたこと。

私の周りで起こっていることも
何故かこの物語で反映されているかのようで。
松本陽一さん、まさか私の頭の中に侵入しましたか??(笑)


もう、完全にエンターテイメントを超えまくってました。
こんな感覚、舞台演劇で初めて体験しました。
実は私も「私」になっていて、
「私」の物語を、私が観ているかのような。
あーーー、ややこしい。(笑)


よく見るドラマとか、舞台って、
最後のオチとか、どんでん返しとか、意外性とか。
何かを待っているのがあると思うんですけど、全然「待ち」がない。
情報が侵入しまくって、私の中で処理される。

そんな連続での、ラストの「私」の真実。
ナナメ45度なんかよりも
鋭角な直球が静かにスロウにブギにやってきた感じ。


この感覚を味わいたくて、
2ステージ目も同じ場所で観劇して。
5ステージ観劇しましたが、4ステも「俯瞰」で見てました。


完全に中毒です。
舞台観劇でオーバードーズしちゃうとは。

 

今年2018年に一番だと思った舞台は
ほぼこれかな~と決まりかけていましたが、
もう一気に捲り切っちゃって、断トツ首位になりました。
というか、自分が見た舞台とか、ドラマとか含めて、
2本の指に入るくらいの面白さでしたね。
5本じゃなく、2本です。ニコイチです。


若林倫香さんの舞台を観劇するだけということで、
Aチーム日程しかチケット買ってなかったのですが、
私の仕事の東京出張の帰りにも観に行ったり、
この後上演となる若林さんが出演しない、
別チームの公演チケットも予約しました。(笑)


最後の「私」がゼロに対して
「ありがとう」と言うそのセリフに行きつくまで。
それに行きつくまでを見たいが故のもう一度見たい欲求。

ホントにめっちゃ面白かったです。
長々と書きましたが、面白かったで良いと思う。この感想。
あとは観劇したお客さんの私の中の話になるんだろうなと。

そう考えると、この話を演じている
キャストさん個々やスタッフさんも私の物語だろうし、
観劇している方にも私の物語になっただろうし。

1か月ロングランの33公演、
3チームの3通りのお話にはなっていますが、
お客さんは必然的に毎回違ってはきてますんで、
「33通りのお話」が展開されたのかなと。




ということで、ここまで全体のお話の感想で、
ここまでで「その①」とさせていただきます。
「その②」以降では個別のキャストさんの感想を書きたいと思います。


あまりここまでお話の核の部分まで書けませんでしたが、
キャストさん個別で書くと、色々心臓まで抉れる気がします。
めっちゃいっぱい書いちゃいました。

もう、ちょっと、お時間頂戴します。
ここから、更に12000文字です。(笑)




それでは「その②」へ!!!